カシオ計算機は2020年6月9日、パソコンやタブレット上で関数計算やグラフ描画ができるオンライン学習ツール「ClassPad.net」の提供を開始した。Webブラウザー上で動作するため、パソコンやタブレットなどのデバイスとインターネット接続環境があればどこからでも利用できる。新型コロナウイルス感染拡大防止で需要が高まっているオンライン授業にも利用できるよう、ClassPad.netの全機能を2020年8月31日まで無料公開する。

カシオ計算機の数学向けオンライン学習ツール「ClassPad.net」。Webブラウザー上で動作し、関数計算やグラフ描画ができる

 ClassPad.netは、数学計算やグラフ化を直感的に行える学習ツール。数学や統計のオンライン授業での利用を想定している。タッチデバイスもサポートしていて、数式の計算や図形の作成などを紙と同様に手書きで操作できる。

 動画配信型のオンライン授業や電子黒板を使った授業では、ClassPad.netを使ってグラフや図形を投影したりして、板書の時間を短縮するなど効率的に授業を進めることができる。係数の増減によるグラフの傾きや変化などを動かしながら生徒に見せることもできる。Web会議システムを使った双方向型のオンライン授業の場合、ClassPad.netを生徒と共有しながら見せることで、事前に資料を用意するなどの手間が省ける。授業中に作成したグラフや図形は、URLで生徒と共有できる。

 サービスの利用プランは、無料でアカウント登録をしない「FREE」、無料だがアカウント登録が必要な「BASIC」、年間サブスクリプションの有料プラン「PLUS」の3種類を用意する。2020年8月31日まではPLUSも無料で使える。FREEでは数式計算、グラフ描画、統計計算、幾何・図形、数列の基本機能が利用できる。BASICになると描画したグラフや計算結果などの保存・共有が可能になる。PLUSでは、数式処理(CAS)、高度な統計計算、手書き数式入力などまで可能になる。

 カシオでは以前より関数電卓の開発に力を入れており、年間2000万台以上を全世界で販売している。欧米諸国では数学などの授業で関数電卓を利用したり、入試でも電卓を使用したりして、計算を解く力よりも解答までのプロセスを理解しているかを重要視する。カシオは関数電卓の開発で培ってきた計算エンジンをソフトに応用して、2018年に海外向けClassPad.net英語版の提供を開始した。eラーニングが進む北米などのオンライン授業やWeb試験に組み込まれ、数学教育に活用されているという。

 国内でも2020年度から小学校でプログラミング教育が必修になるなど、世界的にSTEAM(Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematics)教育の重要性が高まる中、新型コロナウイルス感染症以後を見据えてオンライン授業・学習でも利用できるよう日本語版を公開した。