教材コンテンツや教育ICTサービスなどの流通や利活用を促進する一般社団法人ICT CONNECT 21は、文部科学省が推進する「GIGA スクール構想」を支援するため、「GIGA スクール構想推進委員会」を2020年5月28日に設立した。

 2019年12月に文部科学省が「GIGAスクール構想」を打ち出し、政府と産業界、自治体や学校などが一丸となって学校教育の情報化に乗り出したことで、必要な情報や知見の収集と共有を図るため、GIGAスクール構想に特化した組織を立ち上げたという。

 寺西隆行事務局次長は「ICT CONNECT 21には、パソコン・タブレットなどの機器メーカー、教育関連企業、大学・学校法人、教育委員会、ICT関連の学会などが会員として参加し、教育情報化の促進を支援してきた。GIGAスクール構想の窓口となる組織を立ち上げたのは自然の流れだった」と話す。

 委員会の中に、委員会の運営や省庁など外部との折衝を行う「GIGA スクール構想推進部会」とGIGAスクールに関する情報の収集・蓄積・発信を行う「情報発信部会」、学校への端末導入を支援する「学校支援部会」、導入した端末の利用を促す「利用促進部会」という3つの部会を設置し、GIGAスクール構想の実現を支援する。

 情報発信部会の藤原清幸部会長は「産業界と政府・自治体が一丸となってGIGAスクール構想を進めていく上で、学校や教育委員会からの問い合わせに応じる統一した窓口が必要だった。全ての児童・生徒がコンピューターを利用できるようにするには、これまで以上に教育現場に向けてICT導入と運用のノウハウを提供していくことが欠かせない」と話す。

GIGA スクール構想推進委員会の情報発信部会が立ち上げたGIGA HUB WEB。GIGAスクール構想に関する最新情報や都道府県ごとの取り組みを発信する

 GIGAスクール構想推進委員会の情報発信部会が立ち上げた「GIGA HUB WEB」というGIGAスクール構想に関する情報サイトを2020年5月下旬に開設し、最新の情報や都道府県ごとの取り組み状況などを発信している。GIGAスクール構想が動き出したタイミングで新型コロナウイルスによる感染症が拡大し、ほとんどの学校が休校に追い込まれた。遠隔授業を実施しようにも端末の台数が足りなかったり、家庭のネットワーク環境がバラバラだったりして教育現場が混乱したことで、多くの自治体や学校が危機感を持ち、教育現場へのICT導入の理解は深まった。

 当初2023年度で児童・生徒1人1台の端末整備を達成する計画だったGIGAスクール構想だが、新型コロナウイルスによる感染症拡大を受けて教育現場のICT化を加速するため、政府は緊急経済対策の中でGIGAスクール構想の前倒し実施を決めた。これにより、学校現場で端末とネットワーク環境整備が一気に進むのは間違いない。その一方で、せっかくの端末やネットワーク環境を使いこなせなければ宝の持ち腐れだ。ICTを活用した授業の進め方や、ツールの使い方などの情報発信は欠かせない。

 藤原氏は「コロナ前と後では、GIGAスクール構想の意味合いも大きく変わった。今後の『学び』では、感染症や自然災害対策のときに学校でコンピューターを利用するだけでなく、持ち帰って在宅学習するケースも出てくるだろう。そのために必要な端末の仕様も提言していきたい」と意気込む。