音割れせずに、生に近い音で聞こえた

 2人の講師によると、従来の環境と比べて大きく違ったのが「音」。「それまでのオンラインレッスンではお互いの話し声は自然に聞こえるものの、楽器の音は音割れしていた。実証した環境では、フルートの生の音に近い音質で聞こえたので、的確な指導ができた」(上塚さん)。上塚さんは、それまでのオンラインレッスンでは記憶を基に生徒の実際の音を想像しながら指導する必要があったため、新しい生徒を受け入れていなかった。今後は、オンラインレッスンでも新しい生徒を受け入れるという。

 音については、オンライン会議サービスの設定による変化も顕著だった。オンラインレッスンに備えて2人は、「Zoom Meeting」「Microsoft Teams」「Skype」「LINE LIVE」の4種類のオンライン会議サービスを比較検証した。その結果、使い勝手や音質などから、上塚さんは「Skype」、徳本さんは「Zoom Meeting」を中心に使っている。オンライン会議サービスの利用時に要注意なのが「背景雑音の抑制」や「音量の自動調整」などの機能。こうした機能が有効になっていると、楽器の音を背景雑音と判断して消したり、音の強弱を勝手に補正して一定の音量にしたりしてしまう。オンラインレッスンで利用する際には、こうした機能をオフにする必要がある。

徳本早織さん(右)によるオンラインレッスンの画面。生徒の平塚みずほさん(左)の感想は「スマートフォンで受けるオンラインレッスンよりもはるかに質がよかった」
徳本さんのオンラインレッスンを受ける中学生の生徒。今後もオンライレッスンの継続を検討しているという

 画面の大きさもスマートフォンとの大きな違いだ。上塚さんは、「スマートフォンの画面では細かい運指の指導が難しかった。パソコンの大きな画面だと、唇の形や楽器を構える姿勢なども対面レッスンと同様に指導できる」という。徳本さんも、「音が綺麗で画面が大きくて見やすいことを考えると、スマートフォンよりも良いレッスンができる。パソコンが使えるなら、スマートフォンでレッスンをしようとは思わない」と評価する。