人手を介さずに自動的に作業を行うプログラムのこと。Webサイトの情報収集をしたり、ゲームやチャットで人間の相手をしたりする目的で利用されている。ウイルスや迷惑メールの拡散に使用されるものもある。

 「ボット(bot)」は「ロボット(Robot)」から転じた言葉で、自動的に作業を行うプログラムの総称。用語としては「ボット」単体で使われるほか、「○○ボット」や「ボット○○」のようにほかの言葉と組み合わせて使われることも多い。

 Webサイトを定期的に巡回して検索エンジン用の情報を自動収集する「クローラー」や、対戦ゲームで人間の相手をする「AIプレーヤー」、人間とメッセージのやり取りをする「チャットボット」などが代表例だ。最近SNSのアカウントで見かけることが増えている「ボット」表記のあるものは、人間ではないプログラムがメッセージを作成して発信していることを表している。

 定型的な作業を高速に行えるというボットの特性は、不正な目的にも使われている。例えば、複数のコンピューターから大量の処理リクエストを標的のサーバーに送りサービスを停止させる「DDoS攻撃」や、ウイルスに感染したパソコンが構成するネットワーク「ボットネット」がその代表例だ。

 これまでボットで対応できる作業としては、定型作業を大量に繰り返し行うことが主だった。しかし、最近は、人工知能(AI)の発達に伴い、人間とのやり取りに音声をインタフェースとして使い、文脈に合わせた高度な判断が必要な作業も処理できるボットが登場している。例えば企業の顧客対応窓口で最初にボットが対応し、問い合わせ内容に応じて適切な担当者や部署に転送したり、メッセージ送信やチケット手配などの作業を音声で受け付け本人に代わって作業したりする「AIアシスタント」などへの応用も始まっている。今後技術的にこなれてくれば、スマートフォンをはじめ、家電製品や自動車などでもボットによるサービスが利用できるようになりそうだ。

全日本空輸(ANA)のチャットボット「ハワイAIラニ」。チャットを通して利用者に合わせた情報を提供する
全日本空輸(ANA)のチャットボット「ハワイAIラニ」。チャットを通して利用者に合わせた情報を提供する
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