セキュリティベンダーのパロアルトネットワークスとボーイスカウト日本連盟は2022年7月14日、両者が共同開発した教育プログラム「サイバーセキュリティヒーロー」の実施状況について発表した。同プログラムは、小学3年〜5年生を対象として、インターネット利用の便利さと危険性の両面を学ぶ。

パロアルトネットワークスとボーイスカウト日本連盟が共同開発した「サイバーセキュリティヒーロー」。ワークやゲームを通じてネットの利便性と危険性について考える
パロアルトネットワークスとボーイスカウト日本連盟が共同開発した「サイバーセキュリティヒーロー」。ワークやゲームを通じてネットの利便性と危険性について考える
(出所:パロアルトネットワークスの発表スライド)
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 米パロアルトネットワークスは「Society 5.0時代を生きる児童・生徒がデジタル市民になるためのセキュリティ教育プログラム」として「Cyber A.C.E.S. Program」を開発し、その日本語版も提供している。これらはデジタルシティズンシップの考え方を取り入れており、サイバーセキュリティヒーローはそれをベースに開発されたという。当初からデジタルシティズンシップ教育を掲げていたわけではないが、パロアルトネットワークス チーフサイバーセキュリティストラテジストの染谷征良氏は、「単にネットの危険性などの情報を伝えるだけでなく、子供たちが活用方法や未来を主体的に考えることを重視した結果、デジタルシティズンシップに近づいた」と説明する。

発表では、プログラムに参加したボーイスカウトの団による報告もあった
発表では、プログラムに参加したボーイスカウトの団による報告もあった
(出所:パロアルトネットワークスの発表スライド)
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 サイバーセキュリティヒーローでは、子供たちが「手紙やチャットで嫌なことを書かれたことを考え、その気持ちを発表する」「インターネットの便利な点、危ない点を話し合い、より良い使い方を発表する」といった取り組みに挑戦し、修了後には特製バッジが授与される。2021年 4月からボーイスカウト日本連盟を通じて各団に展開し、2022年5月までに208団、 2310人のスカウトから申し込みがあった。連盟は今後も活動を継続するという。

「初めてのサイバーセキュリティ」では、「他人に良い行いをするように促す努力をする良いデジタル市民」を「サイバー ヒーロー」と呼ぶ。レッスンブックは年齢層別に用意され、その一部はサイバーセキュリティヒーローの補足資料としても提供されている
「初めてのサイバーセキュリティ」では、「他人に良い行いをするように促す努力をする良いデジタル市民」を「サイバー ヒーロー」と呼ぶ。レッスンブックは年齢層別に用意され、その一部はサイバーセキュリティヒーローの補足資料としても提供されている
(出所:パロアルトネットワークス「初めてのサイバーセキュリティ」)
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 Cyber A.C.E.S. Programの日本語版である「初めてのサイバーセキュリティ」では、ネットいじめ、デジタル社会の責任、信頼できる大人、著作権と創作の保護といったデジタルシティズンシップ教育の要素が盛り込まれている。染谷氏は、「ネット利用に関してこれまでは、あれをやってはダメ、これは危険といったルールを押し付けるタイプの指導が主流だった。しかし、これからの時代はネットやデジタルデバイスなしでは生活が成り立たず、子供たちが将来デジタルを活用して新しい社会やビジネスをつくっていくには、それらの良い面も含めて活用方法を学ぶデジタルシティズンシップ教育が欠かせない」と語った。初めてのサイバーセキュリティのレッスンブックは同社Webサイトから、サイバーセキュリティヒーローのワークシートなどはボーイスカウト日本連盟のWebサイトからダウンロードできる