文部科学大臣の諮問機関である中央教育審議会(中教審)の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」の2020年8月20日の第12回会合で、新型コロナウイルスの収束後を見越した「令和の日本型学校教育」の構築を目指す答申案に向けた骨子案が議論された。

ICT活用に関して、骨子案では対面授業と遠隔授業を組み合わせて指導することをうたっている
出所:中教審答申案の作成に向けた骨子(案)より抜粋

 骨子案では、ICT活用に関して情報化の加速度的な進展に関して対応の遅れを指摘した。数学や科学に関するリテラシーは引き続き世界トップレベルである一方、言語能力や情報活用能力、デジタル時代の情報処理などに課題があり、子供たちのデジタルデバイスの使用についても学校より家庭が先行しており「遊び」には多く使う一方で「学び」へは利用しない傾向があるとした。

 新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため、臨時休業措置が長期にわたって実施されたが、ICT環境の整備が十分でないことなどにより、オンラインでの遠隔授業などの実施状況は公立学校で15%と低く留まったことをあげ、これまでの学校教育では自立した学習者を十分育てられていなかったのではないかと指摘した。

 一方で、GIGAスクール構想による児童・生徒1人1台端末と高速大容量の通信ネットワーク整備では、2019年度補正予算と2020年度1次補正予算の合計で総額4610億円を計上して前倒し導入を進めている。これにより2020年度中に義務教育段階の全学年の児童・生徒1人1台端末環境を整備し、家庭への持ち帰りも含めて十分に活用できる環境整備を進める。

 GIGAスクール構想が実現することで、災害や感染症の発生等で学校が臨時休業するような緊急時でも学習を継続できることを目指すとともに、これまでの実践とICTの活用を組み合わせることで学校教育を大きく変化させてさまざまな課題を解決し、学びの質を向上させることを期待する。