新型コロナウイルス感染症が感染力の強いデルタ株に置き換わる形で新規感染者数が全国的に増大している。夏季休暇の部活動や学習塾などで児童・生徒が新型コロナウイルスに感染する事例が増えており、休校や出席停止により登校できくなることが懸念されている。こうした中、多くの学校で9月から夏季休暇後の新学期が始まることを受け、文部科学省は2021年8月27日、ICT を活用した学習指導に関する留意事項を取りまとめた。

 既に8月20日に「小学校、中学校及び高等学校等における新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策の徹底等について」の事務連絡を送付しており、その具体的な取り組みを周知するもの。感染状況によりやむを得ず登校できない児童・生徒に対するICTを活用した学習指導をするためのチェックリストと、各学校がGIGA スクール構想で整備されたコンピューターを活用した学習を円滑に進めるための事例を提示した。

 事例では、茨城県つくば市や群馬県、東京都墨田区などの自治体のICT教育の実践例を紹介している。事例は、文部科学省のGIGA StuDX推進チームが情報収集した。また、小冊子「学びを止めない! これからの遠隔・オンライン教育」や「遠隔教育システム活用ガイドブック」を示して、優良事例や必要な環境整備を参考にするよう促した。

コロナ禍でやむを得ず登校できない児童・生徒へのICTを活用した学習指導の事例として、全国の自治体の取り組みを紹介した。画面は茨城県つくば市の事例
(出所:文部科学省「やむを得ず登校できない児童生徒へのICTを活用した学習指導等自治体事例」)

 学習指導に関しては、一定期間、児童・生徒が登校できない場合は児童・生徒とコミュニケーションを絶やさず、学びを止めないよう求めた。 具体的には、コンピューターを持ち帰ってオンラインで学校側と朝礼や健康観察で会話する機会を確保したり、学習課題などを配信して自宅学習を促したり、教員がビデオ会議を通じて学習指導をしたりといった取り組みだ。

 GIGAスクール構想で1人1台端末の体制が整備されたものの、家庭と学校をつないだオンライン学習指導をするのに必要な通信環境などが不十分な地域や学校がある。このため、モバイルルーターの貸し出しや、遠隔学習を進めるための補助などを積極的に活用するよう自治体に求めた。私立学校でも、1人1台端末の整備やオンラインでの学習指導を行う環境整備を検討している場合は「私立学校情報機器整備費補助金」を活用するよう促している。