文部科学省は2021年8月30日、GIGAスクール構想で整備された1人1台端末の利活用について検討するために設置した調査研究協力者会議の第3回会合を開催した。その中で、GIGAスクール構想に関する各種調査の結果が公表された。「端末の利活用状況等の実態調査」は2021年7月末時点の調査になる。それによると、全国の自治体の96.1%に当たる1742自治体でGIGAスクールによる学習者用端末の整備が完了した。一方で、3.9%の70自治体では未完了という。その理由は、コンピューターの需給状況の逼迫(ひっぱく)や全台数の予算確保ができず、一部が未調達などのため。

 整備済みの端末のOSの割合(台数ベース)は、Chrome OSが40.1%、Windowsが30.4%、iOSが29.0%、AndroidやMacOSを含むその他が0.5%だった。

 利用状況については、全国の公立小学校の96.1%、中学校の96.5%が全学年または一部の学年で、GIGAスクール端末の利活用を開始している。逆に言えば、小学校では3.9%、中学校では3.5%が利活用を開始していない状況だ。利用開始は2021年8月以降とする学校が大半だが、一部には2022年1月以降との回答もあった。

GIGAスクール構想により整備されたコンピューター端末を既に利活用しているのは、公立小学校の96.1%、中学校の96.5%になる
(出所:文部科学省「端末の利活用状況等の実態調査」)

 感染症対策や災害など非常時の端末の持ち帰り学習の実施に関しては、「実施できるよう準備済み」が64.3%、「準備中」が31.9%、「実施・準備をしていない」が3.7%だった。

 GIGAスクール構想では端末導入の補助対象になっていない公立の高等学校での端末の整備状況についても公表された。「公立高校における端末の整備状況(見込み)について(都道府県別)」は2021年8月時点の調査。

 47都道府県のうち、高等学校で1人1台端末が100%整備済みなのは11自治体、2021年度中の予定が8自治体、残りはそれ以降か検討中という状況だ。また、自治体が端末費用を負担するのは18自治体、保護者負担が原則とするのは21自治体、検討中は8自治体だった。

2021年度末までの整備見込みも含めれば、高等学校で1人1台端末が実現するのは19の自治体
(出所:文部科学省「公立高校における端末の整備状況(見込み)について(都道府県別)」)

 「GIGAスクール構想の実現に向けた校内ネットワーク環境等の状況について」は、2021年5月末時点の公立小中学校、高等学校等の校内ネットワークについて調査した。1815自治体 (3万2646校)が回答した。

 インターネット接続に関しては、ネットに「学校から直接接続」(ローカルブレークアウト)する自治体が62.4%(1132自治体)、自治体のセンターサーバー経由など「学校回線を集約接続」する自治体が33.2%(603自治体)、モバイル通信回線を契約する「LETで接続」 が3.0%(54自治体)だ。2021年2月に実施した前回調査による3月末(2020年度中)の見込みと比べると、学校から直接接続する割合が増加している。300以上の自治体がセンター集約方式から、学校から直接接続する方式に改めたという。

自治体数で62.4%、学校数では50.9%に当たる1万6628校が、学校からインターネットに直接接続している
(出所:文部科学省「GIGAスクール構想の実現に向けた校内ネットワーク環境等の状況について」)

 「自治体におけるGIGAスクール構想に関連する課題アンケート概要」は、都道府県と市町村を対象に実施した5月時点の調査。1人1台端末の活用に関して課題を聞いた。

 最も課題となっていることを「1番目の課題」として1点、次に課題となっていることを「2番目の課題」として1点、その他に課題となっていることを「その他の課題」として3点、計5点をGIGAスクール構想における課題として自治体ごとに回答してもらった。

 小中学校の義務教育では、1番目と2番目の課題で「学校の学習指導での活用」(701市町村、39.8%)、「教員のICT活用指導力」(631市町村、35.8%)、「持ち帰り関連」(568市町村、32.3%)が挙がった。

小中学校では「学校の学習指導での活用」「教員のICT活用指導力」、高等学校では「端末整備」「学校の学習指導以外での活用」が課題として挙げられた
(出所:文部科学省「自治体におけるGIGAスクール構想に関連する課題アンケート概要」)

 高等学校では、 1番目と2番目の課題として「端末整備」(36都道府県、76.6%)、「学校の学習指導以外での活用」(16都道府県、34.0%)が挙がった。