富士通クライアントコンピューティング(以下FCCL)は2020年9月7日、タッチ操作が可能な10.1型液晶を搭載したタブレットパソコン「arrows Tab EH」を9月10日に発売すると発表した。

 文教市場向けに販売している「ARROWS Tab Q」シリーズを家庭向けに転用した。GIGAスクール構想の標準仕様に準拠しており、本体性能は文教向けモデルと同等。本体は小学生の利用にも適した小型軽量で、画面のタッチ操作ができることから、低学年から利用できる家庭向けパソコンの入門機として新しい市場の開拓を狙う。価格はオープンで、想定価格は7万4800円(税別)。

文教市場で定評のあるタブレットPCを家庭用に転用して「arrows Tab EH」として発売する。画面を外せばタブレットとして利用できる

 OSにはWindows 10 Proを搭載して、画面をキーボードから取り外せば10.1型タブレットとして利用でき、キーボードを装着すればノートパソコンとして使える。ディスプレイは付属のスタイラスペンや指でのタッチ操作に対応している。ペンは本体に収納できる。主な仕様はCPUがインテルのCeleron N4000、4GBメモリー、ストレージが128GBのフラッシュメモリー、強化ガラスを採用したタッチ操作可能な10.1型液晶ディスプレイ(1920×1200ドット)。11.5時間のバッテリー駆動が可能。タブレット単体では約590g、キーボードを装着しても1.3kg未満だ。タブレット部分の四隅を灰色にして、キーボード上部に問い合わせ先のシールを添付しているのが、文教向けモデルとの外観の違い。

家庭で小学生の利用を想定し、教科書や教材などと並べても大きすぎないサイズ

 家庭内だけでなく子供が屋外などで扱っても問題ないように、76センチからの落下試験や本体の加圧試験、自転車移動を想定した振動試験、米国防総省のMIL試験も実施した堅牢な設計をしており、高い防滴(IPX4)・防塵(IP5X)性能を持つ。

 日本マイクロソフトの「Office Home & Business 2019」、セキュリティソフト「マカフィーリブセーフ」(使用開始から3年間無償利用可能)のほか、家庭学習に適した小学生向けソフトを搭載する。

パソコンの使い方紹介やオンライン学習などのメニューが並ぶナビゲーションページ「FMVキッズハブ」が利用でき、家庭での学習をサポートする

 「QRコードリーダー」は背面カメラで紙の教科書に掲載されたQRコードを読み取って、Web上の映像や音声教材などを利用できる。また、小学校でプログラミング授業が必修になったことを受けて、低学年から使えるディー・エヌ・エーのアプリ「プログラミングゼミ」を搭載。独自のキャラクター「ふくまろ」が登場して英単語学習などができるAIアシスタント「いつもアシスト ふくまろ」、子供向けナビゲーションページ「FMVキッズハブ」も利用できる。

「これまでの学校への導入から学んださまざまな利用方法と、子供の使い方を研究し、頑丈で耐久性に優れた設計を実現した」と話すFCCLプロダクトマネジメント本部第一開発センター第一技術部シニアマネージャーの寺杣公氏(右)と、同第三技術部シニアマネージャーの青木伸次氏

 GIGAスクール構想により小中学校で1人1台のコンピューターが整備されることと、コロナ禍で学校や塾などでも遠隔教育を行う機会が増えたことで今後、小学生のパソコン利用が増えると予想される。

 同社では2018年に、プログラミング教育での利用などを見越して子供向けの「じぶん」パソコンとして、14.1型液晶を搭載した「LIFEBOOK LH」を発売したが、子供が使うには大きくて重いというフィードバックがあったという。新型コロナウイルスによる学校休業中には、子供の家庭学習に保護者のパソコンを兼用することも多かったとみている。「文教市場で使われているパソコンを、家庭での学習に使える入門用パソコンとして販売することで、新しい需要を開拓できる」(マーケティング本部 商品企画統括部マネージャー安藤賢一氏)。一方で家庭向けモデルとして同製品の認知度が高まることで、文教市場での販売に良い効果が出ることも期待しているという。