文部科学省は2020年9月15日、全国の大学・高等専門学校(以下大学等)の後期の授業の実施方針について調査結果を明らかにした。国立大86校、公立大102校、私立大815校、高専57校の合計1060校が回答した(調査期間は2020年8月25日〜9月11日)。

ほぼ全ての大学等が対面による授業を実施予定。そのうち約8割が対面・遠隔授業の併用を予定している。「その他」の内訳は、対面授業を検討中が5校、全面的に遠隔授業を実施するのが1校
出所:2020年9月15日、文部科学省「大学における後期等の授業の実施方針等に関する調査結果」

 調査によると、ほぼ全ての大学等が後期には対面による授業の実施を予定しており、そのうち80.1%が対面と遠隔授業の併用を予定していて、全面的に遠隔授業を予定していると回答したのは1校のみ。7月1日時点では、23.8%の大学等が遠隔授業のみを実施し、60.1%が全面的に遠隔授業を実施していた。後期授業では、ほぼ全ての大学が新型コロナウイルスの感染症対策を取りながら全面的に対面授業を行うか、または遠隔授業との併用に舵(かじ)を切ることになる。

後期授業の実施方針に関する調査の概要
出所:2020年9月15日、文部科学省「大学における後期等の授業の実施方針等に関する調査結果」

 新型コロナウイルスの感染症拡大で2020年4月7日に緊急事態宣言が発出されて以降、ほとんどの大学等が授業開始時期を遅らせたものの、遠隔授業を中心に実施することで感染防止対策を強化して前期期間を乗り切ってきた。一方で入学以来、遠隔授業のみで一度も大学構内に通えていない新入生がいたり、学費や施設費を払っているのに大学施設を利用できないことに学生の不満が高まっていたりした。

 萩生田光一文部科学大臣も8月11日の記者会見で、「コロナ禍の状況にあっても、大学における学修の機会を確保し、学生が納得できる質の高い教育を提供することは必要不可欠と考えている。大学における教育はオンラインによる授業だけで全て完結するものではなく、教員や学生同士での交流も必要な要素であり、学生が納得できる教育機会の提供がなければ授業料の返還を求める学生の声なども高まってくることも否定できないと思う」と述べ、大学側に遠隔授業と対面授業の併用を促していた。

対面・遠隔授業を併用する大学等の約6割が半分以上で対面授業を実施する予定
出所:2020年9月15日、文部科学省「大学における後期等の授業の実施方針等に関する調査結果」