情報処理学会は2021年10月3日、2025年度からの大学入学共通テストで「情報」が加わることを受けて、最新の状況を紹介するオンライン・セミナー「大学入学共通テスト『情報』がこの国を変える!」を開催した。

 文部科学省からは、2021年7月30日に「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」が通知され、大学入学共通テストで「情報」が出題されることが正式に決定した。また、2021年9月29日には同予告の「補遺」が通知された。「情報」については出題範囲や他教科の試験時間などを考慮し、試験時間は60分になった。現行の教育課程における選択必履修科目「社会と情報」「情報の科学」を受講している生徒を対象とした経過措置を講じることも発表された。

 これらの決定を受けて、情報処理学会は「各大学で大学入学共通テストの「情報」を入学者選抜に利用できる環境が整備されたことを歓迎し、多くの大学で入試に採用されることを期待する」とコメントした。

 セミナーでは学会の情報入試委員会の筧捷彦委員長が、大学入試におけるこれまでの「情報」の扱いや、共通テストで「情報」を課す意義について説明した。高等学校では、2022年度から教科「情報I」が2単位必履修になり、「情報II」が2単位選択履修となる。

情報入試委員会委員長の捷彦筧氏は、これまでの「情報」の扱いの経緯や、大学入試共通テストで「情報」を課す意義について説明した
情報入試委員会委員長の捷彦筧氏は、これまでの「情報」の扱いの経緯や、大学入試共通テストで「情報」を課す意義について説明した
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 筧氏は「教科『情報』の内容は、これからの社会を担っていくために必要不可欠な素養を培うものだ。一方で、大学では専攻分野を問わず、学生がデータサイエンスの基本を身に付けることが求められている。これらをつなぐ高大接続の要の一つとして大学入学共通テストに「情報」が導入されることは喜ばしい」と話した。

 入試科目に「情報」が加わることについて学校現場の関心は高いが、入試の具体的な内容などまだ明らかになっていない点も多い。セミナーでは、初等中等教育委員会の中野由章委員長が、これまでに明らかになっている情報入試の問題例を紹介した。

 「情報I」で学ぶ(1)情報社会の問題解決(2)コミュニケーションと情報デザイン(3)コンピューターとプログラミング(4)情報通信ネットワークとデータの活用の4分野について、現行の教育課程の「社会と情報」「情報と科学」の学習内容との比較を行った。

初等中等教育委員会委員長の中野由章氏は、「情報I」と現行の教育課程の「社会と情報」「情報と科学」の内容を比較検討するとともに、これまで明らかになっている試作問題とサンプル問題について解説をした
初等中等教育委員会委員長の中野由章氏は、「情報I」と現行の教育課程の「社会と情報」「情報と科学」の内容を比較検討するとともに、これまで明らかになっている試作問題とサンプル問題について解説をした
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 大学入試センターからは、2020年11月に大学入学共通テスト「情報」試作問題(検討用イメージ)が、さらに2021年3月にはサンプル問題が示されている。中野氏はこれらの出題内容を分析し、これからの情報入試でも同様の出題が予想される典型的な内容について解説した。

中野氏は大学入学共通テスト「情報」試作問題(検討用イメージ)を示しながら解説した
中野氏は大学入学共通テスト「情報」試作問題(検討用イメージ)を示しながら解説した
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