講演者の了承がなければ配布や配信は著作権侵害

 学校が著名人などを招いて講演会や研修会を開催することはよくある。オンライン授業が当たり前になってくると、こうした講演会も「授業の一環」と考えがちだがそれは間違い。

 外部の人を招いて開催するセミナーなどでは、その内容の著作権は講演者にある。講演者には肖像権もあり、著名人であればパブリシティー権も発生する。無観客でない場合は、観客の肖像権も問題になるだろう。

 講演者の立場になって考えてみよう。講演内容を勝手に配布されれば、ほかの場所での講演に差し支えるかもしれない。講演者のチェックなしにビデオや資料を掲載されるのも不当といえる。謝礼を支払ったとしても、講演内容は講師のものであり、学校のものではない。DVDなどで写真や映像を配布する場合も同様に考えるべきだ。

 トラブルを避けるには、講演の依頼時に撮影や公開に関することも含めて明示し、同意を取っておく。

 具体的には、来場者に配布する資料や写真撮影・ビデオ撮影・録音の有無、撮影や録音したデータの用途、機関誌などへの掲載の有無、インターネットへの公開の有無などを書面で確認しておこう。こうすることで、講演者も安心することができ、学校側の権利保護に対する認識も改まる。受講する人にも、講演前に撮影などの可否を伝えておけば、無用なトラブルを避けられる。

講演を依頼する際には、撮影や公開方法などを事前に確認しないとトラブルの元
講演を依頼する際には、撮影や公開方法などを事前に確認しないとトラブルの元
イラスト:森 マサコ
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初出:日経パソコン 2020年10月12日号