日本マイクロソフトやパソコンメーカーなど114社が加盟する業界団体ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は2019年11月8日、家庭向けのプログラミング学習サイト「CODEPARK(コードパーク)」をオープンした。東大卒クイズ王の伊沢拓司さんをアンバサダーとして迎え、教育用のボード型コンピューター「micro:bit(マイクロビット)」に関するプログラミングコンテンツを提供する。

ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)が公開した特設サイト「CODEPARK」。東大卒クイズ王の伊沢拓司さんがアンバサダーを務める

 2020年度から、小学校において新学習指導要領が全面実施され、プログラミング教育が必修になる。WDLCでは以前から子供たちのパソコンスキル向上を支援する施策を展開してきたが(関連記事)、2020年春に向けて、プログラミング教育に関する情報発信を強化する考え。その一環としてCODEPARKを企画した。

 WDLCでは、「より多くの子供たちがプログラミングに関心を持ち、楽しく学んでほしい」という狙いから、テレビのクイズ番組などで活躍し、子供たちや保護者の間でも人気のある伊沢拓司さんをアンバサダーに起用。伊沢さんが「早押しボタン」などのプログラミングに挑戦する動画や、実際に作成したプログラムを公開することで、プログラミングをより身近に感じてもらえるようにした。

「micro:bit」のプログラミングを、実際の作例で学べる。体験動画やサンプルプログラムを順次公開していく予定

 子供たちが家庭でも取り組みやすいように、プログラミングの手順やサンプルプログラムを収録した「チャレンジドリル」も提供。PDFをダウンロードして印刷すれば、このドリルを教科書として参照しながら、プログラミングに挑戦できる。

 コンテンツは今後さらに拡充する予定。2020年春には、子供たちが自分で作成したプログラムを投稿できる仕組みも導入する計画だ。また、家電量販店でのイベントも予定しており、店頭でCODEPARKのドリルを使ったプログラミングを体験できる機会を設けるという。

PDF形式でダウンロードできる「チャレンジドリル」の一部。印刷すると、紙のテキストを参照しながらパソコンでプログラミングできる

世界の教育現場で使われている「micro:bit」

 CODEPARKでプログラミングに使用しているのは「micro:bit」。micro:bitは、英国のBBC(英国放送協会)が中心となって開発し、Micro:bit教育財団が普及を進めている教育用のボード型コンピューターだ。5行×5列の赤色LEDを装備し、プログラムにより文字や絵柄を表示させられるほか、2つのボタンと光、温度、加速度などの各種センサーを搭載。ボタンを押したり、本体を揺らしたりして操作するプログラムなどを実行できる。入出力端子に拡張機器をつなぐことで、電子工作を楽しむことも可能。ソフトウエアのみならず、ハードウエアを操作するプログラミングを学べることから、モノとプログラムの関わりを実体験できるのが魅力だ。

micro:bitは、パソコン上で作成したプログラムを、USBケーブルで転送して使う。25個のLEDで文字や絵柄を表示したり、ボタンや各種センサーを利用したりできる

 同財団によると、現在までに世界で約450万台のmicro:bitが製造され、約2000万人が教育現場で利用している。英国で最大100万台のmicro:bitを無料配布して教育現場で活用してもらった後、BBCがアンケート調査をしたところ、90%の生徒が「誰でもプログラミングができることが分かった」と答え、88%の生徒が「プログラミングは思ったより難しくない」と考えるようになったという。また、micro:bitを使った教員の半分は、それまでコンピューターの授業にあまり自信がなかったが、「より自信を持てるようになった」と回答した。

micro:bitのプログラムは、「Microsoft MakeCode for micro:bit」というウェブサイト、またはWindows10用のアプリで作成できる。ブロックの組み合わせで作れるので、子供でも簡単に扱える

 日本でも、WDLCが2018年6月から「MakeCode×micro:bit 200 プロジェクト」を展開中。いち早くプログラミング教育を取り入れたい小学校などに対してmicro:bitを無償提供し、授業などで活用してもらうとともに、授業案やノウハウの共有に取り組んでいる。

Micro:bit教育財団CEOのGareth Stockdale氏(左)とWDLC会長の梅田成二氏(右)