日本IBMとのAI共同プロジェクトを推進

 関西学院大学は日本IBMとのAI共同プロジェクトを2018年に発足し、AI活用人材の育成をスタートした。また、学生の就職支援をする「キャリアチャットボット」を開発し、関西学院大学の学生であれば誰もがいつでも就職に関する疑問の回答を得られる仕組みを提供した。2019年4月には、「AI活用人材育成プログラム」を開講している。このプログラムは全科目を新規開発し、細部まで関連性を考慮して体系化した。全員が学ぶ「AI活用入門」に続いて、企業実務の視点を取り入れたAI活用の「実践演習」や「発展演習」などを受講できるようにしている。

 

 授業は座学と演習が組み合わされ、チームでの課題解決やプレゼンテーションが行われる。利用端末はBYODで用意し、大学が提供する開発環境やソフトウエアは自身でインストールなどの設定をする。受講生は各学期、常時定員を大幅に超える申し込みがあり、文系学部からの履修生を中心に全学部にわたっており、学生へのアンケート調査では満足度は極めて高かったという。

関西学院大学は日本IBMとのAI共同プロジェクトを2018年に発足し、AI活用人材の育成に取り組んでいる
2019年4月には「AI活用人材育成プログラム」を開講。「AI活用入門」に続いて、企業実務の視点を取り入れた「実践演習」や「発展演習」などを学べる

 一方で、課題も出ている。対面型の授業では教員数や教室数、時間割などの制約で定員増には限界がある。また、新型コロナウイルス感染症により演習などの対面授業の実施が困難だったという。そこで2021年度からは、全てシステム上で完結できるeラーニング科目を開講。個々に応じた細かい指導ができる対面型の授業と組み合わせたプログラムに変えて、高い学習効果を実現するとしている。

 

 また、巳波教授はAI人材の育成について、「理系中心のプログラムになりがちだが、文系学生の方が社会課題の解決にAIを活用するという視点を持っている場合もある。文系・理系という枠を超えて、全学開講科目として位置付け、多くの学生に目を向けてもらうのが大切だ」と指摘した。

2021年度以降の新しい「AI活用人材育成プログラム」。eラーニング科目と演習を組み合わせたハイブリッド型のプログラムになる