無料で使える機能と教材を横並びで比較すると

 GIGAスクール構想で前提としているのは、クラウドサービスを活用した教育。それには、児童・生徒が1つのIDとパスワードでログインするだけで多様な教材や学習ツールが使えるシングルサインオン(SSO)を実現する仕組みが不可欠だ。その仕組みを提供しているのが教育機関向けプラットフォームであり、そこに今回、MEXCBTへの接続を含む学習eポータルの機能が加わった。

 2021年11月1日に学習eポータル対応を発表したのは、内田洋行、NEC、NTTコミュニケーションズ、スタディプラスの4社。すでに各社の教育機関向けプラットフォームを利用している自治体は多いが、これからの導入を検討しているところも、かなりの数に上るとみられる。そこで気になるのが、各サービスの機能と料金だ。

学習eポータル対応のプラットフォームサービスにおいて無料提供される機能とコンテンツ。基本的に学習eポータルの「標準モデル」で必須とされる機能は、各社とも無料で提供する
学習eポータル対応のプラットフォームサービスにおいて無料提供される機能とコンテンツ。基本的に学習eポータルの「標準モデル」で必須とされる機能は、各社とも無料で提供する
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 上の表を見ると分かるように、初期費用、SSO、学習eポータルの必須機能と推奨機能という基本的な機能はおおむね無料で提供する。特に、学習eポータルで必須とされている機能は、各社そろって無料で使える。「学習者用デジタル教科書との連携」が無料という部分は誤解を招きやすい。

 これは、学習eポータル対応の学習者用デジタル教科書をSSOで利用できる連携機能を指す。デジタル教科書自体を無料で利用できるのではなく、あくまでも連携機能自体に料金はかからないという意味だ。将来、学習者用デジタル教科書が無償給与される可能性がある。その際、デジタル教科書は国の負担で無料なのに、それを利用する接続部分で料金を取るのは難しいという各社の判断だろう。ただ、それも現時点での話であり、将来、実際にそうなったときに無料のままかどうか分からない。

将来提供される機能は有料の可能性

 一方、デジタル教科書・教材などのコンテンツ、社外の学習ツール、プラットフォームの高度な機能などには料金を課している。どこまでが無料で、どこから有料になるのかは各社で異なり、無料で使えるコンテンツがあったり、期間限定の無料キャンペーンを利用できたりする。各プラットフォームで使える機能も異なる。学校設置者としては、どれを選ぶのが自分たちの教育方針や活用方法に合っているのか、判断に悩むところだ。

 一覧では、できるだけ同じ条件で比較できるように配慮したが、各社で提供条件など細かな部分で違いがあるため、完全に同じとは言えない。また、教育機関向けプラットフォームの機能はこれだけではない。さらにこの先、半年から1年の間に提供開始を予定しているものもある。追加機能は有料になる可能性があり、現在無料の機能も将来にわたって無料とは限らない点には注意が必要だ。実際の選定に当たっては、長年利用することを考慮し、各社に細部まで確認する必要がある。

【表の補足説明】
・MEXCBT連携:MEXCBT を呼び出せること。MEXCBT から、標準に基づきxAPI フォーマットで記録されたスタディログを受け取れること
・各種学習ツールとの連携:LTI Tools機能を持つ各種の学習ツールを呼び出せること。学習ツールから、標準に基づきxAPI フォーマットで記録されたスタディログを受け取れること
・テスト、テスト管理、テスト結果閲覧:MEXCBT上のテスト受験、結果閲覧、学習者への割り当てができること
・学習者用デジタル教科書との連携:デジタル教科書ビューアと連携し、SSO でデジタル教科書を利用できること。ただし、現在の学習者用デジタル教科書は学習eポータルとの連携に対応していない
・ダッシュボード:学習eポータル経由で受検した CBT のテスト結果等を、ダッシュボード形式で横断的に見られること
※説明部分は「学習eポータル 標準モデル Ver.1.03」から抜粋