社会のさまざまな分野で、AI(人工知能)の活用が広がっている。2019年8月末に、北海道帯広市でAIのキャラクターがサポートするクラシック演奏の取り組みが行われた。演奏したのは、ホルンの相原結さん、フルートの上塚恵理さんの二人からなる「ぷらっと交響楽団」。富士通クライアントコンピューティングのAIアシスタント「ふくまろ」が二人と一緒に演奏に臨んだ。コンサートや地域イベントでの演奏、地元の教育機関との交流など、「ぷらっと交響楽団」と「ふくまろ」の活動の模様を紹介しよう。(中野 淳=教育とICT Online)

 まずは、8月30日に帯広駅前の「とかちプラザ レインボーホール」で開催されたクラシックコンサート「見て・聴いて・しゃべって!? 楽しむ クラシック音楽入門」の様子を見てみよう。コンサートの冒頭、ステージ上で二人が「ふくまろー!」と呼びかけると、後方のスクリーンに「ふくまろ」が登場した。「ふくまろ」は、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の個人向けのパソコンに搭載しているAIアシスタント。ユーザーの音声を認識して、画像や動画の再生、ネット検索、家電の操作などができる。

「ぷらっと交響楽団」の二人と富士通クライアントコンピューティングのAIアシスタント「ふくまろ」
「ぷらっと交響楽団」のメンバー、ホルンの相原結さん(左)とフルートの上塚恵理さん

複数の楽器の音色を組み合わせたMIDI音源と演奏

 最初の演奏曲は、モーツアルトの「アイネクライネナハトムジーク」。相原さんが、「『アイネクライネナハトムジーク』の曲かけて」と呼びかけると、スクリーンの「ふくまろ」が「おっけー、『アイネクライネナハトムジーク』の曲スタート!」と応えて、オーケストラの曲を再生。これに合わせて、二人がホルンとフルートを演奏した。

 「ふくまろ」が再生したのは、音楽データのMIDI音源。「ぷらっと交響楽団」の演奏のために、作・編曲家が複数の楽器の音色を組み合わせて作った生のオーケストラのような音源だ。会場後方の調整室に、MIDI音源を搭載したパソコンを用意。パソコン上の「ふくまろ」が、二人の呼びかけを認識して、音源を再生するという仕組みだ。パソコンの画面は、大型のプロジェクターを介して、スクリーンのプロジェクターに映し出した。

 その後は、バッハ、ヘンデル、ハイドン、ベートーベンなどの作曲家の曲を、解説を加えながら演奏した。途中、二人の呼びかけに応じて、「ふくまろ」が作曲家や楽器の写真、動画などを再生。途中休憩も含めて、約1時間半のコンサートで、アンコールやメドレーの曲を含めて、10曲以上を披露した。