ハイブリッド授業に注目

 学生が大学に来て受ける対面授業が再開したことで、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド方式の授業が注目されている。ハイブリッド型にもいくつかの類型があり、感染症対策として多くの大学が取り組んでいるのがハイフレックス型とブレンド型の授業だ(図8)。

●ブレンド型のハイブリッド型授業に注目
●ブレンド型のハイブリッド型授業に注目
図8 対面授業とオンライン授業には、それぞれの良さがある。両方を適切に組み合わせて教育効果の向上を狙うブレンド(ミックス)型の授業が注目されている。ハイフレックス型は学生が柔軟に選べる
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 言葉の定義が定まっていない面もあるが、ハイフレックス型では教室で実施する授業をオンラインで配信し、学生は学校に来ても自宅に居ても同じ授業を受けられる。教室に入れる学生を定員の半分にしても、残り半分はオンラインで授業を受けられるため、感染症対策として有効だ。

 それに加えて、既往症がある学生や再入国できない留学生、感染を恐れて通学できない学生など、個別の事情に配慮して、授業を対面でもオンラインで受けられるようにする必要性は、多くの大学教員が指摘している。今後、新型コロナウイルス感染症が拡大したり、学内でクラスターが発生したりした場合でも、ハイフレックス型になっていれば、すぐさまオンライン授業だけに切り替えて教育を継続できる。

教育効果を狙うブレンド型

 ブレンド型の授業は、感染症対策と学修効果向上の両面で可能性がある。対面とオンラインを組み合わせて登校する人数を抑制すれば、大学構内に多くの学生が集まって密になることを防げる。

 教育効果を狙うブレンド型授業では、反転授業やアクティブラーニングを取り入れる。授業の前にオンラインで配布された教材や資料、動画などを使って予習しておき、授業ではそれを基に実習や討論をすれば、本来大学が目指している学修ができる。実際、オンライン授業にした結果、予習・復習の時間が増えたという報告が相次いでいる。

 ただし、法令では遠隔教育で取得できる単位は60までとなっている。2020 年度は特例でこの制限は外されているが、来年度以降にオンライン授業を主体にする場合は壁になる可能性がある。文部科学省は「教員も学生も遠隔の良さに気付いたので、後戻りはできない。60単位以上を遠隔の授業にしたい大学が出てくれば議論になるだろう」(高等教育局 専門教育課企画官 服部正氏)としており、今後は教育再生実行会議などの場で議論されていきそうだ。