Raspberry Pi(ラズパイ)を活用する楽しい作品やアイデアを表彰する「みんなのラズパイコンテスト2019」の受賞作品が、2019年11月28日に発表された。148件もの応募が集まり、戦前に人気だった9.5ミリフィルムをデジタル化する作品がグランプリに選ばれた。

 ラズパイマガジンと日経Linux、日経ソフトウエアが主催する「みんなのラズパイコンテスト2019」は2019年5月30日〜10月10日の期間、Raspberry Piを使った電子工作やアプリケーションの作品・アイデアを募集した。6回目となる今年は148件の応募が集まった。

 審査委員長を務める青山学院大学大学院の阿部和広特任教授は、「実用的な作品も多かったが、趣味に走り自分が作りたいと思う物を極めていった人が多かった」と総括した。その中から、デジタル化した映像のインパクトが強かった、山田礼雄さんの「[ラズベリーパイ×戦前映写機]綺乃九五式フィルムスキャナー」が最高賞のグランプリに選出された。

映写機の一部にラズパイ組み込み

 山田さんの作品は、戦前に人気があった9.5ミリフィルムを使う映写機とRaspberry Piを組み合わせ、自動でフィルムをデジタル化する作品だ(図1)。きょう体は3Dプリンターなどで自作するより、実物を使った方が精度が高くなると考え、1930年代にドイツで市販されていた映写機を部分的に用いた。

図1 [ラズベリーパイ×戦前映写機] 綺乃九五式フィルムスキャナー
ラズパイの公式カメラでフィルムをスキャンしていく。

 フィルムの撮影には、ラズパイ公式のカメラモジュールを使った。ただし接写が苦手なため、標準のレンズを工業用の高精度レンズ(タムロン 50mm)に取り換えた。

 映写機のフィルムは、マイコンボードのArduinoでモーターを回して送り出す。モーターと連動した軸(プーリー)に磁石を取り付け、磁石センサーを使って、Raspberry Piで撮影のタイミングを検出する。撮影したJPEG画像はNASに保存する。ブログで紹介されている動画の品質の高さをぜひ確認してみてほしい。

 さらにフィルムスキャンの開始や停止を制御したり、動画を確認したりするために、「Kivy」と呼ぶライブラリを使って、ユーザーインタフェースを作成した(図2)。

図2 スキャンや動画確認などができるユーザーインタフェース

 電子工作もPythonはほぼ経験がない状態で始めて、約2カ月で完成させたそうだ。