日本教育工学協会(JAET)は2020年11月6〜7日、「第46回 全日本教育工学研究協議会全国大会 鹿児島大会」を開催した。鹿児島市内での公開授業、オンラインでの基調講演や研究発表などを実施した。

 公開授業は、幼稚園や小学校、中学校、高等学校、ろう学校など8カ所で実施。このうち、鹿児島市立大龍小学校では、5年生の算数、6年生の理科と総合的な学習の時間、特別支援学級の自立活動の授業を公開した。同校の児童数は365人。「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(ICT活用) 思考力・表現力をつける授業づくり」を教育目標に掲げて、ICT活用に取り組んでいる。

 同校は、戊辰戦争で敵対した薩摩藩の西郷隆盛と庄内藩の菅実秀が後に交流した「徳の交わり」にちなんで、山形県鶴岡市立朝暘第二小学校と姉妹校になっている。6年生の総合的な学習の時間では、粟國好美教諭が朝暘第二小学校とオンラインで結び、両校の児童がグループ同士で交流して「共同宣言」を作成する授業を公開した。

 この授業は全7時間で、公開したのは5時間目。児童は、西郷隆盛や菅実秀の取り組みなどをインターネットで調査。コロナ禍に起因する誹謗(ひぼう)中傷や差別などの社会情勢を踏まえて、共同宣言を作成する。こうした取り組みを通じて、課題の発見や設定、情報の収集や分析、効果的な表現などの能力の育成を図る。完成した共同宣言は、両校のWebサイトに掲載するという。

 従来、両校の児童は定期的に相互訪問してきたが、コロナ禍でこうした交流が中止になっていた。粟國教諭は授業を振り返って、「何かできないかと考えてオンラインで交流した。共同宣言を考える取り組みが昔の歴史を学ぶだけでなく、今の社会とのつながりを感じることにもつながった」と語った。

鹿児島市立大龍小学校6年1組(粟國好美教諭)の「総合的な学習の時間」の授業。姉妹校の山形県鶴岡市立朝暘第二小学校とオンラインで結び、グループ同士で交流して「共同宣言」を作成する
鹿児島市立大龍小学校6年1組(粟國好美教諭)の「総合的な学習の時間」の授業。姉妹校の山形県鶴岡市立朝暘第二小学校とオンラインで結び、グループ同士で交流して「共同宣言」を作成する
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朝暘第二小学校との接続には、オンライン会議サービスの「Zoom」を利用。両校のグループ同士で話し合って、共同宣言をまとめる
朝暘第二小学校との接続には、オンライン会議サービスの「Zoom」を利用。両校のグループ同士で話し合って、共同宣言をまとめる
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自分の考えやグループの提言は、ベン図を利用してまとめた。ジェイアール四国コミュニケーションウェアのソフト「コラボノート」を使用
自分の考えやグループの提言は、ベン図を利用してまとめた。ジェイアール四国コミュニケーションウェアのソフト「コラボノート」を使用
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