Raspberry Pi(ラズパイ)を活用する楽しい作品やアイデアを表彰する「みんなのラズパイコンテスト2020」の受賞作品が2020年12月3日に発表された。107件もの応募が集まり、複数のラズパイを組み合わせたデジタルサイネージシステムが最高賞のグランプリに選ばれた。

 ラズパイマガジンと日経Linux、日経ソフトウエアが主催する「みんなのラズパイコンテスト2020」は2020年5月25日〜10月8日の期間、Raspberry Piを使った電子工作やアプリケーションの作品・アイデアを募集した。7回目となる今年は107件の応募が集まった。

 審査委員長を務める青山学院大学大学院の阿部和広特任教授は、「コロナ禍の中、長い時間を使って作り込んだ作品が多かった」と総括した。その中から、多様な技術をつぎ込んで、実用的かつ機能的なデジタルサイネージシステムを作り上げた「小型マルチディスプレイシステム」が最高賞のグランプリに選出された。

ラズパイ9台でサイネージ構成

 グランプリの作品は、滋賀職業能力開発短期大学校 電子情報技術科の歴代の生徒が卒業制作として3年かけて取り組んだもの。複数のラズパイを組み合わせて、持ち運びを容易にしたデジタルサイネージシステムを作り上げた。

 図1は、9台のラズパイ(3B+)を平面に並べて、動画を拡大表示したところ。各ラズパイに、ラズパイ公式の7インチタッチディスプレイをつないであり、独自に製作したきょう体に収めてある。図1右上のように立体的に構成することもできる。

図1 グランプリの「小型マルチディスプレイシステム」
図1 グランプリの「小型マルチディスプレイシステム」
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 各ラズパイの並べ方は自動的に検知できる。きょう体の右と下に赤外線LED、左と上に赤外線受光モジュールを取り付けてあり、接合関係を検知できる仕組みだ。赤外線のLEDと受光モジュールは専用に設計した基板に取り付け、その基板をラズパイのピンヘッダーにそのまま差せるようにした。

 接合の関係の設定や、動画・静止画の再生操作をするためのホスト機もラズパイで実装し、専用のGUIインタフェースも自作した(図1右下)。スピーカーもラズパイで実現していて音声を出力できる。

 きょう体の製作、基板などの回路設計、ソフトウエア開発と、ものづくりの技を凝縮した作品であることが高く評価された。