国立情報学研究所(NII)は、インターネットを利用したイベントを気軽に開催できる「サイバー大講堂」を全国の大学と小中学校・高等学校に提供する。サイバー大講堂は、シスコシステムズのビデオ会議システム「Webex」を利用して最大1000人まで参加できる会議場を構築できるようにした。Webexを使った2カ月間のイベント開催の利用権を大学や学校に無償で提供する。2020年12月14日に受け付けを開始し、2021年1月1日以降に開催するオンラインイベントで利用できる。サービスの提供期間は2022年12月31日まで。

シスコシステムズのビデオ会議システムWebexで構築したサイバー大講堂を活用することで、期間限定ではあるが大学や学校などが大規模イベントを無償で実施できる
シスコシステムズのビデオ会議システムWebexで構築したサイバー大講堂を活用することで、期間限定ではあるが大学や学校などが大規模イベントを無償で実施できる
[画像のクリックで拡大表示]

 新型コロナウイルス感染症が終息しない中、緊急事態宣言による学校休業措置を経て、大学や学校では対面授業とオンライン授業を併用したハイブリッド型の授業で学びを継続する流れができた。一方で、大人数が一堂に会する学会や大規模な会議のようなイベントは、依然としてオンライン開催が中心となっている。

 大学の活動には大学間で交流するような大規模イベントや、複数の研究室による小規模な研究会の実施などさまざまなイベントがある。また小中学校や高等学校でも全校集会や文化祭など、多くの人が集まるイベントがオンライン開催を余儀なくされ、それぞれの組織が各種ビデオ会議システムなどを利用して準備しているのが現状だ。

 このように教育機関でイベント開催の需要があることを受けて、NIIはインターネット上で1000人までのイベントを開催できるサイバー大講堂を2022年末までの期間限定で提供する。教育研究を目的とし、基本的には参加料無料など収益を上げない非営利のイベントが対象。提供するのはシスコのWebexの使用ライセンスのみで、イベントを実施する上で必要なインターネット環境や通信料、パソコンなどの機器などは利用者と参加者で準備する必要がある。

 1つのサイバー大講堂当たり最大1000人が参加可能で、全員が参加するWebex Meetingsか、講演者と聴衆を分離するWebex Eventsを選択できる。NIIが貸し出す大講堂数は300室で、学校や大学、教職員の研究会などに最大2カ月間貸し出す。貸出期間中のイベント回数の制限はないが、1回のイベントの最大継続時間は24時間。1GBの録画スペースや、資料共有、ホワイトボードなどのツールも利用できる。1機関当たり1サイバー大講堂を借り出すことができ、利用する場合は希望日の2週間前までにメールで申請する。申請はメールでのみ受け付ける。NIIはWebexの利用に関する問い合わせなどには対応せず、シスコが提供する無料のWebセミナーや利用ガイドなどを使う。

 NIIはコロナ禍を乗り越えるべく、教育機関向けに情報共有のセミナー「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を開催し、教育活動のオンライン化を支援してきた。大学や学校など研究機関からバーチャルイベントを気軽に開催できる枠組みを実現ができないかと声があり、オンラインの交流活動を支援するため、NIIとシスコが協力してサイバー大講堂の仕組みを提供することにした。