フリー素材でも「配信」は危険
本来は他人のコンテンツを自分のパソコンに無断でダウンロードしただけで著作権の「複製権」に違反する。加えて、オンライン会議の背景で使う場合は、会議サービスに勝手にアップロードするため「送信可能化権」違反。背景として使用した会議の様子をインターネット上に流せば、「公衆送信権」侵害となる。
もっとも、友人や家族とのZoom飲み会など、私的な利用であり、限られた人数であれば私的利用として著作権侵害にならない場合もある。
「フリー画像」と書かれていても、著作権まで放棄したものは少ない。使用方法に制限が課されていることも多く、注意が必要だ。
近頃は、非営利であれば再利用や配布可能という形で美術館などが所蔵品の画像を提供する取り組みも広がっている。正当に利用できる美麗な画像を探して楽しみたい。
なお、本棚や壁のポスターなどが背景に映り込むだけなら特に問題はない。ただし、他人の著作物や未発表の作品など、映り込んではいけないものがないか、確認するのは大切だ。趣味がバレるのがいやなら、背景をぼかすなり、バーチャル背景を使うなりしよう。
初出:日経パソコン 2020年10月12日号