佐賀県教育委員会は2021年12月11日、ICT活用教育の推進などを目指して、「佐賀県教育フェスタ~未来への挑戦(Challenge for the future)~」を開催した。

 佐賀県・神埼市中央公民館を会場に、主体的・対話的で深い学びとICTを組み合わせてデジタル端末の日常的な活用を進める「さがすたいる」を提案するとともに、教職員によるICT活用教育の指導事例を発表、優秀事例の表彰などが行われた。

 県教育委員会は、2021年度からICT活用教育を「プロジェクトE」と位置付け、教育活動全体のデジタル化を進め、Society5.0社会の到来を見据えて、未来に向けて新しい価値を生み出していく子供を育てていくことを目指している。

 教育フェスタの冒頭、プロジェクトE推進室が「目指せ!日常的な端末活用~主体的・対話的深い学び×ICT」と題して、児童・生徒の情報活用能力の育成や教員のICT活用指導力の向上について提案した。これを受けて、市町立学校、県立学校がデジタル端末をどのように活用して授業を改善したのか、各校の担当者が取り組み事例を発表した。

小中学校・高等学校に配備された1人1台端末を活用していくために、授業の中で端末をどのように活用していくことができるかなどを紹介・提案した
小中学校・高等学校に配備された1人1台端末を活用していくために、授業の中で端末をどのように活用していくことができるかなどを紹介・提案した
出所:佐賀県教育フェスタ発表資料
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 続いて、高校生ICT活用プレゼンテーション大会が開かれた。佐賀県内の高等学校と特別支援学校の高等部から応募のあった22作品から1次審査で優秀賞5作品を選出し、教育フェスタに合わせて会場で来場者を前にプレゼンテーションを行って最優秀賞を決定する。審査委員会を設置し、情報発信力、情報活用能力を総合的に審査して、本選で最優秀賞を決定する。

佐賀県立牛津高等学校のグループ「Team Buramon」は、地元の竹下製菓の商品をテーマにしたミュージアムを設立する企画をプレゼンした
佐賀県立牛津高等学校のグループ「Team Buramon」は、地元の竹下製菓の商品をテーマにしたミュージアムを設立する企画をプレゼンした
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 佐賀県立牛津高等学校(佐賀県小城市)のグループ「Team Buramon」は、「小城を愛ス!」と題して、地域活性化プランを策定。地元の竹下製菓の商品をテーマにしたミュージアムを設立する企画をプレゼンした。それにより小城市を訪れる観光客が増え、来訪客が増えることでバスや電車などの運行本数を増やし、地域活性化につながるという。

 佐賀県立武雄高等学校(佐賀県武雄市)の北川輪さんは、「出来ることから一つずつ」と題して、災害ボランティアに参加した経験を話した。2009年から2018年に1時間当たりの降水量が50mmを超えた回数が合計311回に達していることを指摘。2017年の九州北部豪雨、2020年の佐賀北部豪雨では1時間当たり100mm以上の豪雨を経験し、自然災害の急増を意識するようになった。災害ボランティアへの参加を通じて、個人として何ができるかに向き合った経験を話した。

最優秀賞に選ばれた「佐賀商業高校 さがまなびや研究部」のプレゼンテーション。高齢者のeスポーツをテーマに発表した
最優秀賞に選ばれた「佐賀商業高校 さがまなびや研究部」のプレゼンテーション。高齢者のeスポーツをテーマに発表した
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 佐賀県立佐賀商業高等学校(佐賀市)のグループ「佐賀商業高校 さがまなびや研究部」は、「シニア世代にeスポーツを」と題して、高齢者世代に向けてスマートフォン教室を開き、eスポーツの指導を行っている事例を発表した。佐賀県は高齢者比率が全国平均よりも高く、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種でも、ICT活用に不慣れな高齢者が多くいたという。将来に向けてオンライン診療が増えて行った時に対応できない事態が想定されると紹介。そこでeスポーツを通じて高齢者のICT活用を進めようと提案した。

 佐賀県立神埼清明高等学校(佐賀県神埼市)のグループ「神埼清明高校第1班」は、「Soi Soy Cafe(ソイソイカフェ)」と題して、特産品の大豆を広めたいという思いから大豆を使った商品を提供するカフェの出店・経営の事業計画について発表した。居抜き物件を活用することで初期投資を抑え、大豆を使ったフルーツタルトを提供する案について、売上計画を作り、材料費・人件費などから収益案をシミュレーションした。

 佐賀県立唐津南高等学校(佐賀県唐津市)のグループ「唐津南高校うまかねぎレンジャー」は、「唐津うまかねぎを救え!ネギレンジャー ~新商品活動とPR活動~」と題して、新型コロナウイルス感染症の影響でネギなど農産物の廃棄などにより農家が苦しんでいる事実を知り、ネギレンジャーを結成して新商品開発やPR活動などさまざまな支援をしていることをプレゼンした。

プレゼン大会終了後に発表者全員で記念撮影
プレゼン大会終了後に発表者全員で記念撮影
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 イベントの最後に高校生ICT活用プレゼンテーション大会の審査結果が発表され、佐賀商業高等学校の「シニア世代にeスポーツを」が最優秀賞に選出された。審査委員長を務めた日経BPの中野淳コンシューマーメディアユニット長補佐は「構成、図の使い方のバランス、写真の選び方、話し方のテンポが非常に良かった。ニュースやデータなどできちんと根拠を示していて、目の前の人に伝えたいという気持ちも伝わってきた」と講評した。そのほかの学校のプレゼンについても内容についての講評を紹介した。