教育ICT関連の製品・サービスを中心にした展示とセミナーで構成する「第10回 学校・教育 総合展(EDIX)」が2019年6月19日〜21日に東京・江東区で開催された。今回目立ったのは「AI(人工知能)搭載」をうたう製品展示が増えたことだ。
ソフトウエア・サイエンスは、2020年にリリース予定の「SGS(デジタル採点システム)」に記述問題の自動採点機能を搭載する予定だ。千葉大学との共同研究により開発しており、数十字程度の記述であれば99.97%の精度で自動採点できるとしている。ドキュメントスキャナーで読み取った解答用紙をOCRでテキスト化し、AIが正誤を判定する。事前の機械学習は必要ないが、設定は必要だという。
教育ソフトウェアの「採点ナビ」は手書き解答を採点するAI搭載をうたう。ただし認識できるのは、選択肢の解答などで英数字やカタカナなどで1文字の場合だ。
システムディは、5月に発表した「AI学園サポートチャット」をお披露目した。最近は学内外からの問い合わせにチャットボットで回答する仕組みを採用して省力化を図る大学が増えている。タイムインターメディアの「AI時間割」は、大学などでの授業の時間割を自動作成するシステム。教員ごとのコマ数や制約事項、教室の場所といったさまざまな要素を組み合わせて最適な時間割を編成できるという。
NECはAIを使った音声認識により、児童・生徒の発話の回数や内容などをデータ化するシステムを展示した(関連記事)。変わったところでは、オフィス・商業施設・学校など向けの自動清掃ロボット「Whiz」(ソフトバンクロボティクス)が実際に清掃する様子を披露していた。AIによって障害物を回避したり、人を検知して停止したりする。
「AI」は流行のキーワードで教育分野に限らず多くの製品やサービスに取り入れられているが、実際に使われる技術はさまざまで、レベルもまちまちだ。使っているAIの内容が明かされていないものもある。キーワードだけで判断するのではなく、AIによってより良い製品・サービスになっているか見極めることも大事だ。