新型コロナ禍においてあらゆる企業がニューノーマルに対応した経営を迫られている中、ほとんどの企業がスケジュール通りに採用活動を進めています。

 今の学生たちがどんなスケジュールで就活(就職活動)をしているか、おおまかに説明します。大学3年生の春ごろから自分の興味や能力などを考え、業界や職種の研究を始めます。夏ごろから企業のインターンシップに参加します。翌年3月ごろから企業へのエントリーを開始、説明会に参加したり、エントリーシートに記入して試験や面接を受けたりします。そして、大学4年生の夏ごろには内々定を決める人が出てきます。

 つまり2020年の就活生は、コロナ禍で企業へのアプローチをすることとなりました。経団連が行った「2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果」※1によると、約9割の企業が「ウェブによる企業説明会等」を実施、また「企業紹介映像の作成・公開」や「配信企画等への参加」を実施するなど、対面型から非対面型にシフトしたそうです。面接に関しても、92.9%の企業がWeb面接を実施し、最終面接を含めて全ての面接で実施した企業は63.8%と、対面しないまま採用が決定した学生も多いことが分かります。Web面接のメリットとして、「物理的距離でハンディのある学生に対して有効」(96.4%)、「交通費の支給などコストが減少する」(81.4%)といった意見が挙げられています。一方で、「細やかな表情等が把握しにくい」(83.7%)といったデメリットを挙げる企業もありました。

※ 1 経団連「2021 年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果」(https://www.keidanren.or.jp/ policy/2020/080.pdf

オンライン面接での気遣い

 セミナーやイベント、面接がオンラインへとシフトしたことを、学生たちはどう感じたのでしょうか。エン・ジャパンの「22卒学生600名に聞くオンライン就活意識調査」※2によると、オンライン就活をすることについて、7割が「メリットを感じる」と回答しています。理由には、地方在住でも時間と交通費がかからない、移動時間がなくなるため多くのイベントに参加できる、といった点が挙げられていました。デメリットとしては、面接の様子を親に聞かれるのは居心地が悪い、などの声もあります。確かに気恥ずかしいかもしれませんね。

※ 2 エン・ジャパン「22 卒学生600 名に聞くオンライン就活意識調査」(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/23122.html

 とはいえ学生の側も、最終面接では顔を合わせたいと考えています。アンケートでは67%の学生が「最終面接は対面で行いたい」と答えています。自分の熱意を直接伝えたい、オンラインでは緊張感が下がる、といった声があるようです。

 オンライン面接で学生たちが何に気を付けているのか、SHIBUYA109エンタテイメントが調査しています※3。「話すときはカメラを見る」「他の人が話しているときはミュートに設定」「Zoomのミーティングルームに早めに入室する」といった、ビジネスの場でも役立つ気遣いをしている学生がいました。また、ヘッドセットを使って音声が途切れないようにしている学生も。オンライン面接ともなると、通信環境を万全に整えないと話に集中できないため、工夫しているようです。

※3 SHIBUYA109エンタテイメント「コロナ禍の就活」(https://shibuya109lab.jp/article/200825.html

 企業も学生も苦労したコロナ禍での採用・就職活動ですが、リクルートキャリアの調べ※4によると2020年12月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率は93.4%で、例年並みの数値になったとのこと。将来が見えない世の中ですが、若者たちの進路が閉ざされていないことにホッとしますね。

※ 4 リクルートキャリア「就職プロセス調査 2020 年12 月1 日時点内定状況」(https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/naitei_21s-20201211.pdf

出典:日経パソコン、2021年2月22日号、同名コラムより
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