音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が2021年1月下旬から急に注目されています。

 Clubhouseは、「聞く」「話す」だけでコミュニケーションするSNSです。ユーザーは「room(ルーム)」を作り、パネルディスカッションやセミナーの場、もしくは雑談を楽しむ場として利用します。roomへの参加方法は、主催者となる「Moderator(モデレータ)」、Moderatorとともに話をする「Speaker(スピーカー)」、発言はしない「Listener(リスナー)」の3つから選べます。

 Clubhouseが注目された理由は、招待制であることが大きかったでしょう。「自分だけ乗り遅れたくない」という気持ちから、限られた招待枠を求める人が続出。一時期はフリマアプリ「メルカリ」で、Clubhouseの招待枠が販売される事態にもなりました。

 新しいSNSが出たとなれば、飛び付きたいのは高校生も同じです。しかし、Clubhouseのサービス規約には「18歳以上が対象」と記されています。ブームが起きた2020年度末は、高校3年生の一部は18歳になっていましたが、ほとんどの中高生は利用することができませんでした。

 ところが、Clubhouseはアプリ、規約ともに英語版のみということもあり、登録してしまった中高生がいたようです。ほかのSNSはほとんど13歳以上だからでしょう。流行に乗り遅れたくない中高生はいち早く登録し、Instagramの「ストーリーズ」にClubhouseのアカウント名を出し、「フォローしてね」と呼びかけていました。でも、年齢制限が周知されてからはあまり宣伝もしなくなり、18歳に達している人はプロフィールに年齢を表記するなどしています。

危険な出会いも散見

 芸能人が集まってroomを開いたり、著名なミュージシャンが生演奏をしたりと、爆発的な盛り上がりを見せていたClubhouseですが、少しずつ落ち着きを見せています。

 LINEが2月16日に発表した調査によると、Clubhouseを利用したことがある10代は11%と、全体平均の6%よりも高めの結果が出ています。最も多い年代は20代で13%ですから、若い層が興味を持っていることが分かります。

※第3回「Clubhouse」に関する調査(https://research-platform.line.me/archives/37191216.html

 しかし、Clubhouseには心配な面もあります。というのは、詐欺やマルチ商法、宗教勧誘などと音声SNSの相性が良いといわれているからです。実際に、以前から知り合いと思われる人たちがまるで今日初めて会ったように話をし、新たに来た人を信用させて情報商材の購入へと持ち込もうとしているシーンを聞いた人もいます。

 人の声はテキストを読むよりも説得力があるため、つい信じてしまうことが多いとされています。しかも、Clubhouseは基本的に録音を禁じているため証拠が残りません。サービス側でroomを閉じるまで一時的に録音しているとのことですが、不適切な勧誘や誹謗(ひぼう)中傷といったトラブルが日本語で行われた場合、Clubhouseにどこまで対応してもらえるかも分かりません。

 未成年の場合は、「裏バイト」と称して詐欺の受け子などの危ない仕事を紹介されたり、「パパ活」などに誘われたりといった危険性もあります。姿が見えないため、相手がどんな人か分かりません。Clubhouseを使う場合でも、気軽に知らない人と話さない、話しても会いに行かないことを改めて促すことが必要です。

出典:日経パソコン、2021年4月12日号、同名コラムより
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