「子どもとスマホ」というと、子どもがスマホで犯罪に巻き込まれて被害者になるイメージがあります。でも、実際には子どもが加害者になる可能性だってあります。

 2020年6月、福岡県の公立高校で在学中に女子生徒ら計29人を盗撮したなどとして、当時高校生だった5人の少年が県迷惑行為防止条例違反と児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの疑いで逮捕、書類送検されました。高校の女子トイレや合宿先などの風呂場を盗撮していたとみられ、5人のスマホには動画約100本が保存してあったとのことです。

 さらに年齢が低い男子中学生による学校内での盗撮も、奈良県と佐賀県で発覚しています。彼らは学校内で本人の許可なく写真を撮り、仲間内でシェアして笑い合う「晒し」行為をよくしており、その延長で一線を越えたのかもしれません。

 本人たちは悪ふざけのつもりだったとしても、これらはいずれも紛れもない犯罪行為です。被害に遭って傷付いた女子生徒が気の毒でなりません。

 軽い気持ちで行ったと思われる高校生の犯罪について、もう一つ例を挙げましょう。2020年7月に東京都の男子高校生がスマホゲームを制作する会社に対して爆破予告をして逮捕されています。ゲームアプリに腹が立ったため、アプリストアのレビュー欄に投稿したそうです。自分が犯罪を犯している意識がなかったのかもしれませんが、威力業務妨害容疑と脅迫容疑で逮捕されています。

軽い気持ちが犯罪に

 今の10代は幼い頃からネットに接しており、スマホは身近な存在です。写真を撮ってシェアしたり、自分の思いをネットに投稿したりすることに抵抗がありません。

 しかし、スマホは使い方を間違えると犯罪行為を簡単にできる道具にもなってしまうのです。

 身近な例で言えば、ネットで見た文章をコピーして自分の文章として公開すること、テレビ画面を撮影してシェアすること、第三者が作成した画像や動画を保存して公開すること、全て著作権侵害になります。その認識もないまま操作手順を覚えてしまうため、悪いことだと知らない子供もいるかもしれません。

 こうした事態を防ぐためにも、ネットを正しく使うためのITリテラシーを早いうちからしっかり教える必要があります。また、大人も子供と一緒にITリテラシーを学ぶことが大切です。

 文部科学省は、YouTubeに「情報化社会の新たな問題を考えるための教材」として60本以上の動画を公開しています(上の画像はその1シーン)。団らんのひとときなどに親子一緒に見ることをお勧めします。

 普段からネット関連のニュースをチェックし、話し合う機会を持つようにするのもいいですね。子供たちを加害者にしないために、学校と家庭で力を合わせて取り組んでいきたいものです。

出典:日経パソコン、2021年5月10日号、同名コラムより
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