SNSを使っていると、以前は親しくしていたけれど何となく疎遠になってしまった人がいますよね。特に問題がなければそのままにしておく人が多いと思いますが、若者はこうした相手を「ブロ解」で整理します。

 ブロ解とは、「ブロックして解除」の略です。SNSで自分をフォローしている人を一度ブロックし、すぐにブロックを解除します。すると、相手からのフォローを外すことができます。つまり、つながる前の状態に戻せるのです。

 なぜこちらからフォローを外すのでしょうか。それは、相手に自分の投稿を読まれたくないからです。といっても、ブロックを解除しているため、相手が自分のプロフィール画面を見れば、過去の投稿は全て相手に見られます。しかし、自分の投稿が相手のフィードやタイムラインに自動で表示されないため、見られる機会が少なくなります。

 ブロ解は、決して相手に悪い感情を持っているわけではなく、近況を積極的に見せたくないときにします。例えば、SNSを始めたばかりの頃につながった親しくもない同級生に、大学生になってデートをしている様子を知られるのは気恥ずかしいですよね。

 ブロ解された本人は、ある日「そういえば、あの人の投稿が流れてこないな」と気付くかもしれません。そして相手のプロフィール画面を見に行くと、自分からのフォローが外れていることが分かります。しかし、たいていはもう一度フォローをすることもなく、そのままにします。自分はブロ解されたと分かりますし、それでも追いかけたい関係性でもない場合がほとんどだからです。

リセットする機会がない

 SNSの人間関係を整理するには、相手の投稿を非表示(ミュート)にするか、相手をブロックするかの2 つの方法がよく使われていました。しかし、非表示では自分のフィードやタイムラインに相手は出てこなくなりますが、相手には自分の投稿が読まれます。自分の投稿を読まれないようにするにはブロックするのが簡単ですが、これでは相手に対して嫌悪感を抱いていると思われてしまます。そこで、ブロ解を使うのです。

 実は、「Instagram」と「Twitter」は、フォロワーを削除する機能を用意しています。そのため、「ブロ解」は「ブロ削」とも呼ばれます。それでもブロ解が浸透しているのは、その方が導線として使いやすいこと、そしてフォロワーを削除する機能がサポートされる前に始まった行為だからでしょう。

 SNSが普及するまで、引っ越しや進学などをきっかけに幼い頃の友人とは自然に距離ができ、お互いの連絡先も分からなくなるものでした。しかし、今の若者はずっと小さい頃の友人とつながり続けます。人間関係をリセットする機会がないのです。そこで生み出された「ブロ解」文化は、これからの常識になっていくのかもしれません。

出典:日経パソコン、2022年5月9日号、同名コラムより
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