小中学生がスマホを持ち始める時期
小中学生がスマホを持ち始める時期
(出所:NTTドコモ モバイル社会研究所ホームページ)。写真はキッズスマホ「Hamic POCKET」(Hamee)
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 子供が1人で行動するようになると、保護者は見守りのためにデジタル機器を検討します。

 小学校の入学時には、位置情報を常に発信するGPSタグを持たせる人が増えています。小さなタイル型のものが多く、ランドセルや上着に入れておくと、保護者がスマホの専用アプリで子供の位置を把握できます。ケータイやスマホの持ち込みを禁じている学校でもGPSタグなら問題ないことが多く、手軽に位置を把握できる点がメリットです。

 しかし、GPSタグでは位置情報しか分かりません。そこで、登録した人とだけ通話やメッセージができるキッズケータイを選択する人もいます。キッズケータイは子供用に作られているため頑丈で壊れにくく、位置情報も正確に把握できます。ただ、位置情報を知るためには保護者も同じ大手キャリアを利用し、有料オプションに加入しなければなりません。

 GPSタグやキッズケータイなら、ネットで悪い人に出会うことはなく、ゲームに夢中になることもありません。しかし、年齢が上がるにつれて習い事などで行動範囲が広がり、お互いがスムーズに連絡できる方法を探ると、スマホが必要になります。

 NTTドコモが運営するモバイル社会研究所が2022年2月に発表した調査※1によると、2021年の小学生のスマホ所有率は低学年で15%、高学年で33%となっています。これは、キッズケータイの所有率(低学年で11%、高学年で18%)より高い割合です。2018年以来、スマホがキッズケータイを上回ったことは初めてとのことです。

※1 子どものスマホ所有率上昇 小学生でキッズケータイ所有を上回るのは調査開始以来初(モバイル社会研究所)(https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20220228.html

スマホデビューも低年齢化

 同研究所では、子供のスマホデビューについても調査しています。2022年3月に発表した調査※2によると、2019年から2021年までの間に約0.7歳低年齢化が進んでいます。2021年の調査では、スマホを持ち始めた年齢の平均は10.6歳。学年でいえば、小学校高学年に当たります。塾や習い事に自分で通い、帰りも遅くなり始める年ごろです。

※2 スマホの持ち始めは年々低年齢化・10歳からスマホデビュー(https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20220330.html

 子供にスマホを持たせれば、家族のLINEグループで密に連絡が取れますし、位置情報も知ることができます。一方、ゲームやSNS、動画視聴などの誘惑も多くなり、親の管理が難しくなります。

 そのため、「子供用のスマホが欲しい」と考える保護者は多いのですが、執筆時点で発売されているキッズスマホは1機種のみです。3.0型画面のAndroidスマホ「Hamic POCKET」(Hamee)は、キッズケータイのような防犯ブザーが付いている子供用スマホです。親の許可があればアプリのインストールができますが、基本的には専用のアプリでメッセージ交換や通話をする端末です。キッズケータイは子供っぽくて恥ずかしいと考える子でも、人気の「iPhone」用スマホケースに似たデザインの「HamicPOCKET」なら、喜んで持ってくれそうです。

 スマホの低年齢化が加速する一方で、保護者が子供を守るための知識は追い付いていないように思います。学校や企業の取り組みがますます重要になっています。

出典:日経パソコン、2022年5月23日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。