Instagramの画面の上部に並ぶ「ストーリーズ」。気軽に投稿し、気軽に見る動画が若者の心をつかんでいる

 Instagramは写真好きな人に愛されるSNSから、キラキラしたシーンを投稿する「インスタ映え」ブームを経て、日常の良いことを気軽に投稿する場所へと変化してきています。その転換に大きく影響したのが、2016年8月に開始した「ストーリーズ」です。

 ストーリーズは、24時間で消えるショートムービー機能です。自動で消える機能はエフェメラル系と呼ばれ、「Snapchat」というメッセージングアプリで有名になりました。消えてしまう投稿に何の意味があるのかと戸惑いの声も多く聞かれましたが、現在はInstagramにもサポートされ、若者を中心に人気があります。

 2018年11月に行われた「Instagram Day Tokyo 2018」では、ストーリーズの国内投稿数は2016年からの2年間で20倍に増加し、現在では1日当たり700万の動画がシェアされていることが発表されました。以前からあった「フィード」への投稿とは違い、1日に何度も投稿するユーザーが多いのです。なぜそれほどまでに支持されているのでしょうか。

 ストーリーズは、最大15秒の動画が投稿できる機能です。動画には逆再生やループ再生などの加工を施すことができます。また、写真やテキストだけを送信する機能もあり、写真へ文字を入れたり、自撮り写真に動物の顔のような加工を入れたりすることも簡単にできます。ストーリーズが投稿されると、画面上部にプロフィールアイコンが表示されます。閲覧するには、アイコンをタップします。すると再生が始まり、時間が来ると次のユーザーのストーリーズが自動再生されます。

ストーリーズの魅力

 ストーリーズは、つまらないと感じたら画面をタップして、次に飛ばすことができます。このスピード感がストーリーズのキモです。つまり、大したことがない内容でも、1日たてば消える上に、じっくり見られることがないため、気軽に投稿できるのです。ある女子高生は、「スタバ(スターバックス)に行ったらフィードだけど、マック(マクドナルド)だったらストーリーズに投稿する」と言っていました。特別な瞬間はフィードに、日常はストーリーズにと使い分けているのです。

 また、Instagramは最新の情報が集約されている場所でもあります。そこで若い世代は、コスメやファッションなど流行が重要なアイテムは検索エンジンではなく、Instagramで検索しています。インフルエンサーと呼ばれる、センスが良くフォロワーの多い人が発信する情報をチェックするのです。さらに、自分と同世代の人気アカウントもフォローします。自分と購入する価格帯が同じであること、着用シーンがモデルよりも参考になることからです。

 Instagramは2018年、ショッピング機能を追加し、フィード、またはストーリーズのアイテムをタップするだけでショッピングサイトに遷移できるようにしました。「買い物はインスタで」がこれからの常識になるかもしれません。

出典:日経パソコン、2019年1月14日号、同名コラムより
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