SNSはLINEやTwitterを中心に使っていた中高生ですが、2017年あたりからInstagramの利用時間が長くなっています。すると、かつては聞かれなかったInstagram上でのいじめ問題が浮上してきました。

 2018年5月、熊本県の県立高校に通う女子生徒が自殺をした事件がありました。彼女は生前、両親に対し「Instagramのフォロワー数や男友達が多いことを妬まれている」と相談していたそうです。SNSではフォロワー数やいいね数など、周囲からの人気が数値で可視化されます。多感な中高生は常に自分と友人の数値を比べ、嫉妬したり落ち込んだりしているのです。

 また、2018年1月には、新潟県の高校で女子生徒が男子生徒の顔に生理用品を貼り付けてからかい、その様子をInstagramのストーリーズで公開するという騒ぎもありました。ストーリーズは24時間で自動で消える機能ですが、動画を見たユーザーがTwitterへと転載し、またそれを見た人がYouTubeへ転載することでネット上に拡散しました。その後、いじめの首謀者であった女子生徒は学校名や名前を特定され、まとめサイトには彼女の喫煙の様子なども暴露される事態に発展しています。

 LINEで起きるいじめは、メッセージによる言葉の攻撃、グループメッセージでの無視や仲間はずれなど、メッセージを主体に行われますが、Instagramでは投稿画像への誹謗中傷コメント、画像や動画でのさらし行為などによるいじめがあります。

AIでのいじめ対策も

 Instagramも嫌がらせやいじめが行われていることは把握しており、いじめに遭った場合には相手のアカウントを「報告」する機能を用意しています。問題があると判断された場合には、アカウントのブロックなどの措置が行われます。

 また、10代の子どもを持つ親や保護者に向けて、「保護者のためのInstagramガイド」を提供しています。Instagramの基礎から嫌がらせを受けたときの対策まで記されており、Webサイトからダウンロードすることができます。子どもたちがなぜInstagramに引き付けられるのか、どのようなリスクがあるのか、分かリやすく解説されているのでぜひ一度目を通してみてください。

 さらにInstagramは、機能面での対策も講じています。不適切なコメントを自動で非表示にする機能や、特定のユーザーのコメントをブロックする機能が「設定」から利用できます。そして2018年10月10日には、AIによる機械学習を使って、嫌がらせやいじめに当たる写真やライブ動画を検出する仕組みを導入すると発表しました。いじめに当たる写真は削除され、ライブ動画のいじめコメントもフィルタリングされます。嫌がらせやいじめは10代のユーザーに限ったことではなく、どの年代のユーザーでも不快になる行為です。判断基準となる言葉や画像は公開されていませんが、自動で検出されることでユーザーが安心して使える環境が整えられていくことを期待します。

出典:日経パソコン、2019年1月28日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。