「若者の○○離れ」といった言葉に代表されるように、今の若い人たちは消費行動が少ないといわれます。カルチュア・コンビニエンス・クラブが2019年1月に公表した「若者のライフスタイルに関するアンケート調査」でも、18~24歳の男女が「いま悩んでいること」の1位は「お金のこと(49.0%)」となっています。希望の職に就けず、収入も上がらない人が増えているため、不安を抱くのも無理はありません。

 そんな彼らの味方はスマホです。アプリのクーポンを入手したり、最も交通費のかからない経路を検索したり。また、ネットで買い物をすれば、いくつかのサイトで価格を比較し、最も安い店舗で購入することができます。ただ、ネットショッピングでは、実物を見ることができません。そのため、既に購入した人たちのクチコミを信用します。

 若い世代は検索サイトを使わず、SNSで情報を集めます。Instagramでは「インフルエンサー」と呼ばれる、フォロワーの多い人たちが商品を紹介していますが、若い人たちにとっては公式サイトよりもクチコミの方が説得力があるのです。

メルカリで商品を売買

 また、堅実な消費行動の一つとして、中古商品の購入が上げられます。フリマアプリ「メルカリ」は、ネットを通じて商品を売り買いできるサービスですが、高校生でも日常的に活用しています。似たようなサービスに「ヤフオク!」がありますが、こちらは18歳未満は出品できないため、未成年でも親権者の同意があれば利用できるメルカリへ人気が集中しているのです。

 メルカリでは、使いかけの化粧品や試供品なども飛ぶように売れています。ある女子高生は、誰かが使った口紅でも唇に触れる部分だけ切り取れば全く気にせず使えると言っていました。お小遣いかアルバイトでやりくりしている女子高生は、「デパコス(デパートコスメ)」と呼ばれる、デパートで販売されるような一流ブランドの化粧品を手に入れるためなら、中古品でもかまわないのです。

 また、メルカリの魅力はクチコミと似たやり取りにもあるそうです。メルカリでは出品者に質問をすることができます。「このマニキュアはラメが入っていますか」など、気軽に問いかけられるのです。商品の情報を自分でチェックするよりも、元の所有者に聞いた方が確実な返答を得られます。洋服に関しても、モデルではない一般の人が試着した画像が掲載されていることもあり、着用イメージが湧きやすいというメリットもあります。

 メルカリによると、今の消費者は売ることを前提として商品を購入する傾向があるそうです。高く売れると分かっている商品なら、試しに買ってみて、気に入らなければ売る。そうすれば、大した出費にはなりません。ITを駆使しつつ、賢い消費行動を取る若者に、私たちが学ぶことは多そうです。

出典:日経パソコン、2019年3月11日号、同名コラムより
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