2017年12月、とあるツイートが話題になりました。それは、違法サイト「漫画村」が小中学生の間ではやっているという内容です。漫画村とは、誰かによってネットにアップロードされたマンガの画像データを集めて、閲覧しやすいように公開していたサイトで、無料でマンガが読めることから多くの人に利用されていました。その月間利用者数は約9800万人を超えていたとの説もあります。国会やニュースに取り上げられたことで騒ぎになり、現在は接続できない状態になっています。

 では実際に、漫画村は若者を中心に利用されていたのでしょうか。そうした統計は見当たりませんが、違法音楽アプリを積極的に利用してしまう世代なので、漫画村にもアクセスしていたでしょう。とはいえ、この人数であれば、相当数の大人も利用していたことが考えられます。

 ある女子高生グループをインタビューしたとき、彼女たちに人気のマンガアプリは「LINEマンガ」でした。LINEマンガはLINEグループが運営する配信アプリです。講談社や小学館、集英社など大手出版社の作品やオリジナル作品が、25万冊以上配信されています。無料連載は毎日約600作品が更新されています。その豊富な作品数だけでなく、マンガを購入するとLINEスタンプが特典として付いてくる「スタンプ付き作品」があることも特徴です。好きなキャラクターのスタンプが手に入るなんて、うれしいですよね。

気に入ったら書籍を購入

 LINEマンガ以外に利用されているマンガアプリは何でしょうか。テスティーの「それちょう」が2019年1月に発表した調査によると、10代男女の「一番オススメのマンガアプリ」は、男性の1位が「マンガワン」(小学館)、2位が「LINEマンガ」(LINE)、3位が「マンガボックス」(DeNA)とのこと。一方、女性は1位が「LINEマンガ」(LINE)、2位が「ピッコマ」(カカオジャパン)、3位が「comico」(NHN comico)となっています。LINEマンガは男女ともに人気ですが、それ以外が異なるのは配信されている作品の種類によるところが大きいと考えられます。また、複数のマンガアプリを使っている人も多いとのことです。

 このデータで興味深いのは、マンガアプリで読んだマンガを書籍版で購入したかの問いに、10代男女の約44%が購入経験が「ある」と答えていることです。書店で「立ち読み」したのちに本を購入する行動パターンは、今やマンガアプリで「試し読み」をした後に購入するように移り変わったと言えますね。

 私の取材でも、「マンガアプリで無料の第1巻を読んで、気に入ったら紙の本を買う」という女子高生がいました。好きなマンガや作家の本は、モノとして紙で持ちたいのだそうです。とはいえ、自由になるお金が少ない彼女たちは全て新品を購入することは難しく、中古本ショップもよく利用すると言っていました。

 時にはグレーな方法でマンガを楽しんでいる若者ですが、本当に欲しい作品は購入して大切にしている実態にはホッとさせられますね。

出典:日経パソコン、2019年5月13日号、同名コラムより
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