親が子どもにスマホを持たせるときは、不安がつきまといます。危ない人に出会うのではないか、SNSでいじめに遭うのではないか、スマホ漬けになってしまうのではないか、などが主な心配事です。

 とはいえ、子どもの年齢が上がるにつれ、1人で行動することが多くなり、親も連絡手段としてスマホの必要性を感じ始めます。内閣府が発表した平成30年度の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、スマホを利用する小学生の35.9%、中学生の78.0%、高校生の99.4%が自分専用のスマホを持っているとのこと。中学生から持つ人が多いということが分かります。

 スマホを子どもに渡す際に、「インターネット利用上の家庭のルール」を決めている小学生以上の家庭は74.2%。ただし、これは保護者の認識で、ルールがあると考えている子どもは58.8%です。子どもは厳格に捉えていないことからギャップが生じているようです。

 「子どものスマホルールを決めよう」という考え方は、2012年の「スマホ18の約束※」をきっかけに広まりました。米国に住むジャネル・ホフマンさんが13歳の息子さんに初めてのiPhoneをプレゼントするときに手渡したルールは、インターネットを通じて全米で反響を呼び、日本でも大いに話題になりました。

 「スマホ18の約束」には、「これは私が買った、私の電話です。あなたに貸します」「いつかあなたは失敗するでしょう。そのとき、私はあなたの電話を取り上げます。新たなスタートに向けて私たちは座って話し合いましょうね。私はあなたのチームメートですよ」などの取り決めが18項目挙げられています。あくまでも親のスマホであり、それを子どもに貸与すること、親がパスワードを含め完全にコントロールすることが明言されている点が、大人のあるべき姿勢として称賛されたのでしょう。

スマホルールの一例

 ホフマンさんのルールは米国の事情に合わせているため、日本では独自のルールを各自治体や携帯キャリアなどが提案しています。ここでは、よく使われるルールを紹介します。

 まず、利用時間について。「夜○時まで」と決めて、その時間を過ぎたら自室ではなくリビングに置くなど、物理的にスマホと離れるようにすることがお勧めです。また、マナーや言葉遣いも大切です。「人を傷付けるような言葉を使わない」と約束すると、メッセージやSNSでのトラブルを防ぐことができます。「有料コンテンツを購入するときは親に相談する」「知らない人と出会わない」ことも重要です。残念ながらインターネット上には悪意を持った大人がいて、事件や事故に巻き込まれることを説明しておくといいですね。そして、ホフマンさんのルールにもあった「スマホのパスワードを変えない」ことも大切な約束です。

 こうしたルールに家庭独自でアレンジを加え、年齢に合わせて見直していくことも重要です。つい誘惑に負けてルールを破ることもあるので、ペナルティーも一緒に決めておくとよいかもしれませんね。

出典:日経パソコン、2019年6月24日号、同名コラムより
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