LINEが2019年5月20日に開始した「LINE Pay」のキャンペーン「祝!令和 全員にあげちゃう300億円祭」には参加しましたか? LINEの「友だち」に1000円相当のLINE Payボーナスをプレゼントできるという施策だったのですが、事情をよく知らないまま受け取った人が「詐欺なのではないか」と怪しむなど、賛否両論のキャンペーンだったようです。

 今回のキャンペーンで1000円を受け取るためには、LINE Payへの登録と本人確認が必要でしたが、本人確認は銀行口座登録か、写真付きの身分証画像を送信する必要がありました。さらに、日がたつにつれ本人確認が遅延するようになり、銀行口座登録の一部を停止、身分証での認証も郵送のみに限定するなど、混乱続きのキャンペーンとなりました。

 ところで、LINE Payに関してはキャンペーンを前にある調査が行われました。テスティーの「LINE Payに関する調査レポート」(5月21日発表)によると、その利用率は男性26.3%、女性18.8%とのこと。LINE Pay以外のQR/バーコード決済サービスの利用率が、男性68.0%、女性48.9%なのに比べると低めですね。ちなみに、キャンペーンに参加するために利用し始めた人は男女とも3割以上いるので、実際に参加してプレゼントを受け取ったかどうかは分かりませんが、認知度向上も含めて一定の効果があったと言えそうです。

 LINE Payキャンペーンについてある20代の男性に聞いたところ、「本人確認に手間取って受け取りを諦めてしまった。あれは一度受け取った人には送れない仕組みなので、僕が誰からも送られていない寂しい人に思われているかもしれない」と、微妙な心境を打ち明けてくれました。

一番人気は交通系ICカード

 さて、以前10代女子の約7割が「キャッシュレス」の言葉を知っており、約8割が何らかのキャッシュレス決済を利用したことがあるとお伝えしました。とはいえ、日常生活では10代女子はほぼ現金で決済しています(プリキャンティーンズラボ byGMO 2月調査)。

 では20代ではどうでしょうか。2月にテスティーとCNET Japanが共同で調査した「キャッシュレス化」に関するレポートによると、スマホ決済で最も利用されているのは、交通系ICカードで6割超でした。調査会社は異なりますが、10代女子が約5割との結果と比較すると、あまり変わりはないようです。20代は現金以外の決済にクレジットカードを使うことも多く、「電子マネーで支払いたいと思う金額」は「1000円未満」と回答した人が男女ともに最も多かったとのこと。少額の買い物に使いたい感覚は、大人と同じかもしれません。

 ゴールデンウィークには「キャッシュレス・ウィーク」と称したキャンペーンが展開されるなど、インバウンド需要も含めて国はキャッシュレス化を推進しています。経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」に掲載されている「各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年)」によると、キャッシュレス化が進展している国での普及率はほぼ40~60%台にもかかわらず、日本は18.4%にとどまっています。ちなみに1位は韓国で89.1%。クレジットカードの所得控除などの施策が効いたとのこと。一方、日本でキャッシュレス支払いが普及しない背景は、治安の良さや現金への信頼などが挙げられています。これから日本のキャッシュレス化が進んでいくのか、注目です。

出典:日経パソコン、2019年7月8日号、同名コラムより
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