ネットのおかげで便利になったことはたくさんありますが、その一つに「いつでも映画やテレビ番組が見られる」ことがあります。NetflixやHuluといった動画配信サービスは、月額料金を支払うと、家のテレビやスマホで好きな動画をいくらでも見られます。見逃した映画や好きだったテレビ番組などをゆっくり楽しめるなんて、良い時代になりましたね。

 動画サービスは若い世代にも大人気です。しかし、学生にとって800〜900円超の月額料金は高額です。料金を毎月支払ってまで視聴したいという人は動画好きの人に限られます。そこで、彼らは動画サービスのアカウントを共有するのです。例えばNetflixでは、家族で視聴するために、アカウントにサブアカウントのような役割を果たす「プロフィール」を5つ作成することができます。子ども用のプロフィールを作れば、子どもだけペアレンタルコントロールで制限できる仕組みです。

 Netflixは規約で「ご家庭以外の方と共有することはできない」と規定しているのですが、このプロフィールを友達と共有している人がいるのです。この場合、1アカウントしか契約していないため、誰かが動画を見ている間はほかの人が見られない、視聴履歴を見られる可能性があるなどのリスクはありますが、ある女子大生は「そこは気にならない」と言います。「私は動画好きだからアカウント契約したけど、友達にどうしても見てほしいTVシリーズがあって。メールアドレスは知られてるし、パスワードはこれ専用に作ったから大丈夫」とのこと。仕組みを熟知した上での運用ですが、規約違反ですよと伝えておきました。

SNSアカウントも共有で

 アカウントの共有は、ゲームやSNSでも行われています。ゲームの場合は、代金を支払って自分のアカウントのレベルを上げてもらうケースがあるようです。

 SNSに関して言うと、TwitterやInstagramなど、複数アカウントの作成が許されているサービスで行われます。カップルが1つのアカウントを共有して行う「カップル共同垢」は、若いカップルの間で大流行しました。今は一時期ほど作られてはいませんが、お互いへの愛をつぶやいたり、デートの画像を投稿したりと幸せそうな様子が見られます。ただし、これも恋愛がうまくいっているときだけ。別れた後、相手にパスワードを変えられてしまうと、消したい画像も削除できない羽目に陥ります。Twitterには「別れました」とだけ記されているアカウントが多数存在するのですが、これはカップル共同垢の“跡地”なのです。

 10代はパスワードに関して大人ほど重大に捉えておらず、パスワードの当てっこをするなど、仲が良いとお互いに知っていることがあります。そこで、相手のアカウントに勝手にログインする「乗っ取り」遊びも行われます。もちろん、遊びで許されることではなく、なりすましに当たる行為は禁じられています。「内輪のことだから」と軽く考えず、パスワードを人に教えてはいけないと改めて伝えていかなければいけませんね。

出典:日経パソコン、2019年8月26日号、同名コラムより
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