出所:「スマートフォン・SNS内の保存データ調査」(博報堂生活総合研究所)

 高画質の写真が撮れるスマホが普及したことで、私たちの生活には常にカメラが寄り添うようになりました。若者は朝起きてから眠るまで、いつでも写真を撮ることができる青春を送っています。

 博報堂生活総合研究所が2020年9月に実施した「スマートフォン・SNS内の保存データ調査」によると、Z世代(15~24歳の男女)がスマホに保存している平均写真点数は2914.0点とのこと。ミレニアル世代(25~34歳)の3568.5点よりも少ないですが、かなりの枚数ですよね。

https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2020/12/20201203_2.pdf

 そしてこの調査では、Z世代に面白い特徴があることが分かりました。それは「スクリーンショットが多い」ということ。特に10代後半では、スクリーンショットの構成比率が22.9%と、ほかの年代より突出しています。

 スクリーンショットはスマホの画面を撮影して保存する機能です。あるアプリ画面を人に見せたいときやWebページをメモ代わりに保存するときに便利ですね。でも若者はなぜ、そんなにスクリーンショットを撮影しているのでしょうか。

 まず、彼らが日常的に使っているSNSを撮影することに使われます。友人が投稿したInstagramストーリーズは時間がたつと消えてしまうことが多いため、お気に入りの瞬間を撮影して保存するのです。また、「〇〇がこんな投稿してたよ」と本人以外の友人に画像を送って悪口を言い合うようなときにも使っています。

 欲しい服を通販サイトで見つけたときも、ブックマークを使うのではなく、スクリーンショットで撮影してメモ代わりにします。後からそのページをまた検索しなければならないのですが、画像の方が使い勝手が良いと考えているようです。

自撮りよりも“推し撮り”

 もう一つ、次の調査項目とも関係があります。10代後半が保存している「芸能人」の写真の点数は、「自分自身」の2倍以上。芸能人は構成比の4割以上(43.3%)を占めています(上図)。

 調査では特に因果関係は示されていませんが、私はスクリーンショットの比率が高いことと関係があると思っています。なぜなら、今は好きな芸能人、つまり“推し”がSNSで発信する時代です。SNSの投稿や動画を自分のスマホに保存したい、いつでも見たいという欲求は自然なこと。ある女子高生は、芸能人の動画を保存するだけでなく、ベストショットを撮影すべく動画からスクリーンショットを何枚も撮っていました。自分だけの写真が撮影できるわけです。

 こんなに写真を撮っているZ世代ですが、バックアップは「スマホの保存だけ」という人も少なくありません。「クラウドやパソコンがよく分からない」といった理由だけでなく、「消えたら消えたでいい」「SNSにある程度残っているからいい」といった人もいました。スマホに写真を残す前提でストレージ容量が大きなスマホをアルバイト代で購入している女子高生もいました。

 しかし、これはZ世代だけの話ではありません。今はほとんどの世代がスマホに保存したままなのではないでしょうか。大切な写真をある日失わないように、バックアップ手段を整えておきたいですね。

出典:日経パソコン、2021年6月14日号、同名コラムより
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