「動画見過ぎてギガが足りない」「Wi-Fi飛んでないからギガが減る」などといった言い回しが若者を中心に使われています。IT知識の高い本誌の読者の方ならお気付きかと思いますが、「ギガ」とはデータの大きさを表す単位「GB(ギガバイト)」のことを指します。単位に対して「減る」といった言葉を使うことはおかしいのですが、若者は「ギガ」を「データ通信量」の意味で使っているのです。

 なぜデータ通信量を「ギガ」と呼ぶようになったかには諸説ありますが、携帯キャリアが「ギガ」という言葉が入った契約プランを打ち出しているからだと思われます。そして実は若者だけではなく、大人にも「ギガが減る」という言い方をする人たちがいます。最初にインターネットに触れるきっかけがスマホだった層に多いように感じます。契約しているプランのデータ通信量を超えると速度制限がかかり、月が変わるまで低速になります。データ通信量を意識せざるを得ないわけですね。

 そして、「ギガ」という言葉には別の使われ方もあります。「私のiPhone、ギガが128だから……」という、ストレージ容量を指す言い方です。「GB」はストレージ容量の単位にも使われているため、データ通信量とストレージ容量のどちらも「ギガ」と呼ぶのです。そのせいで、別のものであることが分からず、混乱している人も多く見られます。「ギガいくつなの?」「7ギガだよ」「そうじゃなくてスマホの話」「えっ?」といった具合です。

データ通信量は増加傾向

 では、当の若者たちは「ギガ」が足りているのでしょうか。MM総研が2018年10月に公表した「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」によると、スマホの月間の平均データ通信量は5.7GB(中央値は3GB)とのこと。これは2年前の調査より増加傾向にあるそうです。年齢層が明らかになっていない調査なので若者がどうかは分かりませんが、YouTubeやAbemaTVなどの動画サービス、TikTokやInstagramストーリーズなどの動画SNSをよく利用していることを考えると、この数字よりは高くなることが予想できます。

 ある女子大生は、通学の電車内でInstagramをチェックし、見逃したドラマを「TVer(ティーバー)」で見るのが日課だと言っていました。そのおかげで月のデータ通信量が7GBでは全く足りていないとのこと。動画はデータ通信量を多く使うことを話すと、知らなかったと驚いていました。「これからはできるだけ公共のWi-Fiを使うようにするけど、Wi-Fiは遅い」とも漏らしていました。Wi-Fiは利用者が多いと通信速度が低くなってしまうため、電車内では厳しいのかもしれません。ちなみにソフトバンクが出しているデータ通信量の目安によると、データ通信量1GBでネット動画が約4.5時間分とのこと。1時間のテレビドラマを往復で1本ずつ見ていたら、とても月7GBでは足りませんね。

 近年の動画ブームを受け、携帯会社各社はデータ大容量プランやデータ無制限プランを展開しています。もちろん、ほかのプランより料金は高めに設定されているため、家族割引や固定通信契約などと併用した方がよいでしょう。学生の間は親が月額料金を負担していることが多いため、携帯料金のやりくりに苦労しているご家庭も多そうです。

※在京民放キー局5局が共同で立ち上げ、2015年10月26日よりスタートしたテレビ番組の広告付き無料配信サービス、およびアプリのこと。2019年8月26日からはNHKの一部番組も視聴可能になった。

出典:日経パソコン、2019年9月23日号、同名コラムより
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