悲しいことに、現実社会では子どもに見せたくないような残虐な事件や事故が起こります。テレビやラジオなどの大手メディアであれば、放送すべきかどうかを判断してから公開しているため安心ですが、ネットはそうはいきません。誰かが撮影したセンセーショナルな事件の写真や動画は瞬く間に広がり、手元のスマホに表示されます。

 昨年、女子高生が電車に飛び込む様子を自らライブ配信したと思われる事件がありました。配信を見ていた人が録画した動画は、女性がホームから線路に向かって歩いて行き、その姿が見えなくなった直後に電車が通過するところで終わっています。

 この動画はTwitterに投稿され、急速な勢いで拡散されました。Twitterは設定変更していなければ、動画を自動再生する設定になっています。特に見たいと思っていない人のタイムラインでも、ショッキングなシーンが再生されてしまうのです。若い世代ほど架空の出来事に捉えてしまうのか、同級生のみとつながっている娘のTwitterにも動画が流れてきたそうです。以前はテロリストによる殺害シーンの動画も拡散され、Twitterが削除に追われました。

 警戒すべきアプリはTwitterだけではありません。最近のアプリは、「アプリ内ブラウザー」という、Webサイトを見られる機能を用意しているものがあります。メッセージでURLをシェアされると、タップするだけでWebページを見ることができるのです。いちいちWebブラウザーに遷移するよりも素早く見ることができる便利な機能です。しかし、子どもを守るという観点からは1つ注意してほしいことがあります。それは、子どものスマホにフィルタリングを設定していても、アプリ内ブラウザーを使う際にはフィルタリングによるブロックがなされないのです。

フィルタリングの仕組み

 フィルタリングには、携帯電話会社などが用意している専用ブラウザー「あんしんフィルター」を使っている人が多いでしょう。あんしんフィルターは、年齢にふさわしくないWebサイトをブロックするため、安心してネットを見ることができます。さらにフィルタリング機能に年齢を設定することで、年齢に合わせたアプリだけを許可することができます。

 残虐な映像があるゲームや出会い系アプリなどはもちろんフィルタリングで制限されます。LINEもフィルタリング対象のアプリなのですが、家族との連絡用に許可するご家庭もあるでしょう。そのLINEに、例えばアダルトなサイトのリンクが送られてきたら、子どもはタップするだけでアプリ内ブラウザーによりサイトを見ることができてしまいます。TwitterやInstagramも、同様にアプリ内ブラウザーでリンク先を見ることができます。

 中高生ともなればSNSは必須アプリ。となると、目を覆いたくなる動画やWebサイトがシェアされてくる可能性もあるということです。やがて大人になることを考えれば、ネットとはそういうものだと認識することも勉強なのですが、保護者としては複雑ですよね。せめて残虐なコンテンツは周囲のためにもシェアしないように教えていきたいものです。

出典:日経パソコン、2019年10月14日号、同名コラムより
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