「スクールカースト」という言葉をご存じでしょうか。学校の中での人気の度合いを表す言葉で、校内で目立つほど人気が高い人たちを1軍、その次を2軍、友達が少なく存在感が薄い人たちを3軍と呼びます。カースト制度になぞらえたこの言葉は米国で使われ始めたといわれていますが、日本でもテレビドラマで使われるなどして一般に知られることになりました。

 1軍は最も少なく、下のカーストからは憧れの存在でもあります。しかし、1軍が3軍をいじめるなど、その力関係が問題になることもあります。あまり良い言葉とは思えませんが、このような言葉が生まれるほど、中高生にとって友達からの人気の度合いは重要視されます。それは今の時代、SNSでも同様なのです。

 SNSでは、フォロワーや「いいね」など、その人がどれだけ支持されているかが数値で可視化されます。似たような投稿をしても、人気者にはたくさんのいいねが付くのに自分には付かない、など常に比較できてしまうのです。大人でもSNSでフォロワーやいいねが多い人を妬む人はいますが、SNSを学校の友達との交流に使っている中高生にとっては残酷な事実が突き付けられます。「○○はしょっちゅう投稿してるけど、全然いいねが付かないよね」など、自分以外の人からのチェックもあるからです。

 そのため、「#相互フォロー」「#いいねした人全員フォロー」などのハッシュタグを付け、「自分をフォローしてくれたらフォロー返しします」と宣言をしてフォロワー集めに奮闘する人もいます。その様子もまた、友達に見られることになるので、良しあしですね。

フォロー解除をツールで

 SNSで誰かにフォローされると通知が来ます。一方、フォロー解除されても通知は来ません。しかし中高生にとって、誰がフォローを外したのかも重要な情報です。そこで、アンフォローされたときに通知が来るアプリやサービスを使って管理している人もいます。これを「リム通知(リムられた=フォロー解除された)」と呼び、「リム通知してるから分かってるよ」などと、フォロワーに対して解除をしないように呼びかけます。

 もちろん、こっそり通知を導入している人もいます。ある女子高生はInstagramのフォロワー管理アプリを使っていて、アンフォローだけでなく、「今日は私のプロフィールページを○人に閲覧された」といったこともチェックしています。ただし、その数字に信ぴょう性がないときもあるようで、「あくまでも参考程度にしかならないけどね。でも面白いよ」と話してくれました。

 Instagramは2019年7月から、いいねの数を非表示にするテストを行っています。Instagramによると、数にとらわれるよりもコンテンツそのものを楽しんでほしいがゆえの取り組みであるとのこと。おおむね好意的に受け入れられているため、このままいいね数の非表示は続きそうです。中高生はまたツールなどで取得しようと頑張るかもしれませんが、数ではなく質で勝負するんだと発想を変え、SNSを楽しんでほしいところですね。

出典:日経パソコン、2020年2月24日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。