イオンモバイルは独自のフィルタリングと他社の見守り機能をオプションで提供する

 新学年を迎えるこの時期は、スマホを初めて子どもに持たせるご家庭が増えます。そこで、携帯キャリアは学割やフィルタリングなど、子どものスマホ利用に関する施策を打ち出すことが多いのです。

 今年は、2社のMVNO(仮想移動体通信事業者)が独自の見守り機能を打ち出しています。大手キャリアは「あんしんフィルター」という名称のフィルタリングを提供していますが、このフィルタリングにはない機能を推すことで、スマホデビューに不安を持つ親を獲得しようという狙いです。

 1つめは、イオンモバイルのフィルタリングサービス「イオンモバイルセキュリティPlus」です。一般的なフィルタリングは、独自のWebブラウザーを使わせることにより、有害サイトへの接続を制限します。しかし、これでは全てを防ぐことはできませんでした。なぜなら、「アプリ内ブラウザー」と呼ばれる、アプリの中でWebサイトを表示する機能にフィルタリングが効かないからです。例えば、友人からLINEで「このサイト見て」とURLがシェアされてきた場合、そのURLをタップするとLINEのアプリ内ブラウザーでWebサイトが表示されます。そのURLが安全な内容のページだとしても、そこからリンクをたどって有害なページにたどり着くこともあります。フィルタリングによってはアプリ内ブラウザーそのものを制限することもできるのですが、それでは子どもも不満を持ちます。

 「イオンモバイルセキュリティPlus」は、このアプリ内ブラウザーに注目し、アプリ内ブラウザーでも問題があるかを判定して、表示してもよいWebサイトなら表示させるようにします。検索よりもSNSでシェアされるURLを見ることが多い子どもたちにはぴったりのフィルタリングです。Androidのみの対応で有料オプションではありますが、親子双方に良いフィルタリング方式だと思います。

AIで不適切な画像を判定

 2つめは、トーンモバイルです。新機種「TONE e20」に搭載された「TONEカメラ」は、端末内のAIフィルターにより、裸や下着姿などの不適切な内容のものはスマホに保存できません。また、そうした写真を撮影しようとすると、保護者に撮影しようとしたことを通知する機能も備えています。

 これはアダルト画像を保存させないというよりも、「自画撮り被害」を防ぐことを目的とした機能です。「自画撮り」とは、裸や下着姿の写真を送るように脅されて自分の写真を送ってしまうことを指しています。自分の裸の画像を送ることを不思議に思う大人も多いかと思いますが、同じ年ごろの女子を装い、少しずつ悩み相談をする関係になり、「私の胸の形がおかしいかもしれないから、あなたのも送って」といって送らせるなど、巧妙な手口で誘うやからもいるのです。そんなとき、親に通知が行けば、子どもを守ることができますね。

 スマホは非常に便利で楽しく、これからの時代に不可欠なデバイスです。しかし、大人と同じ環境をいきなり与えてしまうと、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。携帯会社各社のこうした取り組みは、スマホデビューが低年齢化していく今、親にも子どもにもありがたいことです。

出典:日経パソコン、2020年4月13日号、同名コラムより
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