映画「ワンダーウーマン」などで知られるガル・ガドットさんがInstagramに投稿した動画の再生回数は、原稿執筆時点で880万回を超えた

 この原稿を書いている2020年3月末は、新型コロナウイルス対策でさまざまなイベントが中止になり、外出を控えるように政府から要請されている状況です。この1カ月、有料のコンテンツが無料で配信されるなど、企業やアーティスト、芸能人が多くの取り組みを行ってきました。今回は、SNSの周辺で何が起こっていたかを振り返ってみます。

 「新型コロナウイルス」のキーワードが検索され始めたのは1月19日以降。その後、2月後半には一旦ピークを迎え、検索され続けています(Googleトレンドより)。Twitterは、新型コロナウイルスに関する言葉を検索したユーザーに、1月30日から各国の保健当局の情報にアクセスできるよう、画面上部にリンクを表示するようにしていました。Twitterはその拡散力からフェイクニュースやデマが飛び交いやすいプラットフォームです。いち早く対応してくれたおかげで、私たちも惑わずに済んだかもしれません。

 同様の対策は、その後Facebook、Instagram、TikTokでも行われました。TikTokは新型コロナウイルス感染症のページを用意し、発生状況やお薦めアカウントなどをまとめて表示するようにしています。

 さらにTwitterは、情報の案内だけでなく、専門家のガイドラインを否定するツイートなど、セーフティーポリシーに違反するツイートを削除するという踏み込んだ対策を行っています。

ライブ配信も積極的に活用

 各プラットフォームが安全への取り組みを行う中、ユーザーもSNSの場を使って交流を楽しみました。神戸どうぶつ王国はInstagramで連日ライブ配信を実施。通常のパフォーマンスショーなどの配信だけでなく、飼育スタッフによる解説や臨時休園中の動物たちの様子も配信しました。横浜・八景島シーパラダイスは休園中に「Twitterで楽しむ水族館」として毎日動画を投稿、ペンギンが自分たちの水槽の下をお散歩する様子などを伝えました。外出自粛でストレスがたまっている人たちを癒やしてくれたことでしょう。

 また、コンサートが中止や延期になったミュージシャンや芸能人も、ライブ配信サービスでファンを楽しませてくれました。使われたプラットフォームはInstagram、YouTube、Twitter、LINE LIVE、ニコニコ生放送などです。ライブ配信後もしばらくアーカイブして公開し、見損ねた人にも対応してくれたのもうれしいですね。

 ジャニーズの堂本光一さんは、自らが主演する舞台「Endless SHOCK」をInstagramでライブ配信しました。かつてはジャニーズといえばネットがご法度だったので、ファンの喜びもひとしおだったと思います。

 海外では、この危機を乗り越えようという励ましの投稿を有名人が行いました。俳優のガル・ガドットさんがInstagramに投稿した動画には、俳優のナタリー・ポートマンさんや歌手のノラ・ジョーンズさんがリレー形式でジョン・レノンの名曲「イマジン」を歌う様子が収められています。「#WeAreOne」のハッシュタグが付けられたこの投稿は、執筆時点で約880万回再生されました。先が見えずに不安になっている世界中の人たちが励まされました。

 新型コロナウイルスの発生は悲しいことですが、SNSはプラットフォームとユーザーが力を合わせてより良いスペースを作る場だと改めて感じる機会になりました。

出典:日経パソコン、2020年5月11日号、同名コラムより
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