自宅滞在率はフレンドと競い合える(左)。世界各国のユーザーの滞在率も分かる(右)

 この原稿を書いている2020年4月半ばは、新型コロナウイルス感染対策として「緊急事態宣言」が出されて間もないタイミングです。感染拡大が止まらない国ではロックダウン(都市封鎖)が行われ、外出も基本的に禁止されています。日本でも不要不急の外出を控えるように、再三の要請がなされています。

 「外出は控えて」と言われると悲しい気持ちになりますが、「自宅に滞在する時間を競い合おう!」とゲーム感覚で呼びかけられると楽しい気分になりますね。そんな取り組みをしているのは、「Zenly(ゼンリー)」というサービスです。

 Zenlyは、つながった人と位置情報を共有するアプリです。24時間、誰がどこに滞在しているのか、その滞在時間が分かります。さらに、移動しているときはその速度も表示されるため、「今自転車で移動中だな」と推測することができます。自分がいる場所を隠すこともできますが、全く移動しなくなったり、居場所を隠すモードになっていることが表示されたりするため、隠していることが周囲に分かってしまいます。バッテリー残量も公開されるため、「スマホのバッテリーが切れた」という言い訳もできません。つまり、実質つながった人には常に居場所を公開していることになります。

 Zenlyは10~20代を中心に人気があります。いつでも知り合いが何をしているのか分かることがつながっている安心感になるほか、待ち合わせをする手間が省けるなど合理的な理由もあって支持されています。

Zenlyの新たな取り組み

 そのZenlyが2020年3月26日にリリースした「自宅滞在チャレンジ」機能は、自分が自宅に滞在している1日当たりの割合とフレンド(つながっている人)の自宅滞在率が分かるもので、滞在率をランキング形式で競い合えます。

 また、「コロナウイルス・レンズ」という機能もリリースされました。これは全世界での新型コロナウイルスの感染者数を地図上で確認できる機能です。米ジョンズ・ホプキンズ大学が出しているデータに基づいており、正しい情報を提供したいというZenlyの意向で作成された機能です。

 Zenlyでは新たに、「#STAYATHOME」という機能も提供されました。これは、世界での自宅滞在率を確認できる機能です。

 Zenlyは長く滞在している場所を自宅と認識します。そのデータを集約して、国別にランキングで表示しているのです。データは1月25日から提供されているので、バーを動かすことで推移もチェックできます。ちなみに、1月25日の滞在率1位はスウェーデンで64.47%、日本は6位で63.15%でした。その2日後、1位は中国本土となり、68.24%、3月13日の74.20%まで1位となっています。3月14日になると、1位がイタリアになり、77.99%。このときの日本は13位で70.26%でした。4月7日現在では、1位がニュージーランドで90.71%と高い数値になり、日本は36位で73.35%となっています。事が深刻になるにつれ自宅滞在率が上がっていることが分かりますね。もしかすると日本は、ほかの国よりも滞在率が高くならないまま、時を過ごしたのかもしれません。

 先が見えない状況ですが、Zenlyユーザーが楽しく感染対策できる取り組みは評価したいですね。

出典:日経パソコン、2020年5月25日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。