「低年齢層の子供のインターネットの利用状況」(出所:内閣府)
「低年齢層の子供のインターネットの利用状況」(出所:内閣府)

 スマホやタブレットの普及に伴い、子どもがネットに触れる年齢も低くなっています。内閣府が行った「令和3年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」※1を見ると、低年齢層(0~9歳)の子どもの74.3%がネットを利用しています。年齢別に見ると、0歳では11.6%、1歳は33.7%、2歳は62.6%と年齢が上がるごとに利用率も上昇しています。幼児が自分専用の機器を利用していることは少なく、この調査では携帯ゲーム機やインターネット接続テレビも対象に含まれてはいますが、イマドキの子どもがネットとともに育っている様子が分かります。

※1 内閣府「令和3 年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(速報)」(https://www8.cao.go.jp/youth/kankyou/internet_torikumi/tyousa/r03/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

 子どもにスマホを見せっぱなしにしていることを、「スマホ育児」「スマホ子守り」と呼ぶケースもあります。しかし、ほとんどの保護者は子育てをスマホに任せたいとは考えていません。自分たちが子どもの頃にはなかったスマホやタブレットとどう向き合わせるべきか、視力や姿勢といった健康面での影響はないのかといった悩みは、育児系メディアでもたびたび特集されるほど、関心の高い話題です。私の元にも多くの相談が寄せられます。

 保護者が幼児にスマホを見せるときは、病院やレストランでの待ち時間など公共の場でおとなしくしていてほしいとき、子どもをなるべく安全な状況にして家事に集中したいときなど、やむを得ない場合が多く、悩みながらもスマホに向き合わせている実態があると思います。スマホが普及する以前にはテレビやビデオに関してこうした議論が行われていましたが、スマホは街で使われることが多いため、周囲の目を気にする保護者も多いでしょう。

スマホは本当に悪なのか

 そもそも育児中の親にとって、スマホは重要な役割を果たしています。病院の予約、おむつの購入、ネットバンキングなども、スマホさえあれば手元で手配できます。コロナ禍でも安心ですし、スマホで節約できた時間を育児に充てられます。親と子どもは同じ空間で生活しているのですから、子どもがスマホという機器を知らないままではいられません。

 総務省は「上手にネットと付き合おう!安心・安全なインターネット利用ガイド」※2で、未就学児とその保護者向けに「スマホなどを使わせるメリットは?」として、好きな動物や植物について調べる、祖父母とビデオ通話ができる、緊急連絡や電話の練習になるなど、子どもの成長にスマホを役立てる例を挙げています。

※2 総務省「上手にネットと付き合おう!安心・安全なインターネット利用ガイド」(https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/

 もちろん、注意点はあります。画面との距離が近い場合や利用時間が長いと視力への影響が考えられること、子どもにはふさわしくないコンテンツが表示されてしまうことには配慮しなければなりません。

 これからネットとリアルはさらに密接になっていきます。ネットとの上手な付き合い方を、社会全体で考えられるといいですね。

出典:日経パソコン、2022年7月11日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。