新型コロナウイルス感染対策のため、2020年3月から休校措置が取られている学生が数多くいます。休校が始まった当時は学年末だったこともあり、テストや卒業式などの行事についての心配がありましたが、4月から新学年がスタートし、緊急事態宣言が延長された本稿執筆時点(5月上旬)では、子供たちの学業について心配する声が多く挙がっています。

 文部科学省は公立小、中、高等学校、特別支援学校における臨時休業中の家庭学習の取り組み状況について、4月21日に調査を発表しました。臨時休業を実施する設置者(学校を管理している者)のうち、教科書や紙の教材を活用した家庭学習に取り組むと回答した設置者は100%であるのに対し、テレビ放送の活用、授業動画の活用、デジタル教科書などの活用に関しては10~20%台、同時双方向型のオンライン指導は5%にとどまっています。

 オンライン授業をする場合、家庭でのネットやパソコンの普及率が壁となります。特に、公立の学校ではみんなが平等に同じ環境を用意できないとなると、デジタル化に踏み切れないのかもしれません。

 一方、私立の学校ではオンライン授業の実施が早いようです。ある私立小学校に子供を通わせている母親に聞いたところ、4月の時点で既に「Google Meet」を使ってオンライン授業をしていました。まず先生が動画を見せ、子供が問題を解くとその解答が先生に届く仕組みだそうです。ただし、これは進んでいる学校の例で、進捗にはかなり学校差があり、メールでドリルを配布されただけの小学校もありました。

高校、大学では格差が拡大

 LINEリサーチが4月27日に発表した調査によると、私立高校の場合、「オンライン授業が行われている」割合は、国公立の約3倍(国公立9%、私立26%)とのことで、学校側の対応の差がはっきり出てきています。

 前述の調査では、大学生についての調査もあり、休校中の大学の46%がオンライン授業を実施していました。しかし、ネットや紙による課題の配布などの学習サポートが特にないと回答している学生が24%と高いことが気になります。

 ちなみに、高校生ではサポートがないと答えた学生はわずか6%で、私立はネットを活用したサポート、国公立は紙や登校によるサポートが行われている傾向があります。

 同調査ではオンライン授業に利用する端末についても調査しています。高校生はスマートフォンが72%、大学生はノートパソコンが75%でトップでした。大学生は入学時にパソコンの用意を促されることが多いため、既に所有しているからでしょう。一方、高校生は家庭との共有も含めて、ノートパソコンが22%、デスクトップパソコンが7%と、パソコンをオンライン授業に使う人は少数派です。今後、オンライン授業が本格化していくと厳しい状況になるかもしれません。

 登校して授業を受ければ、隣の席の子と教え合ったり、先生に気軽に質問したりできますが、オンラインではそうもいきません。また、集中して受講することも難しいでしょう。テレワークにより親が家庭にいても、サポートする時間が取れない現状もあります。しばらくは、オンライン授業をいかに充実させて乗り切るかが課題になります。

出典:日経パソコン、2019年6月22日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。