「おじさん文章ジェネレーター(https://oji.netlify.app/)」はおじさん構文が作成できる

 現実の世界と同じく、SNSでも世代が違うとお互いの文化を理解しづらい面があります。同じツールを使っているのに使い方が異なるため、驚くこともあるでしょう。そんな文化の違いから生まれたキーワード、「おじさん構文」をご存じでしょうか。

 おじさん構文とは、LINEなどのメッセージアプリで使われるおじさんならではの言い回しを指します。「おじさんLINE」とも言われます。

 おじさん構文は、例えばこんな文章です。

 「ともチャン、ゆっくり、休んでね!仕事は、大事。でも休みも、大事!!元気になったら、おじさんが、癒やしてあげるヨ。ナンチャッテ!!」

 文字だけだと伝わりにくいですが、本来はここに絵文字がふんだんに入ります。特に多用されるのは、汗や汗をかいた笑顔の絵文字、赤いビックリマークなどです。また、句読点が多め、もしくは不思議な位置に入ったり、改行が何度も入る長文だったりといった特徴もあります。

 おじさん構文が話題になったのは、2016年ごろ。当時は、若い女性が「おじさんってこういうLINEを送ってくるよね」と例を挙げ、「あるある」として話題になりました。例えば、それほど親しくもないのに名前に「チャン」付けをして呼んでくること、愚痴を聞くなどの理由を付けてさりげなく食事に誘うこと、セクハラと言われないように「ナンチャッテ」などの言葉でごまかすことも多いとされています。また、たいした用事もないのに定期的に日記のような文章を送ってくる「俺通信」も嫌がられていました。

「おじさんLINEごっこ」とは

 最近では、「おばさんLINE」という言葉も登場しています。おばさんLINEも、やはり絵文字の多用や長文が特徴とされていますが、打ち間違いによる誤字が多いことも指摘されています。さらに、「ぉはよぅ」など小文字を使うギャル文字や、おじさんLINE同様の下心を若い男性に見せるケースもあるようです。

 しかしあるとき、女子高生の間で「おじさんLINEごっこ」が流行し、おじさんらしい文章を送り合う遊びを始めました。まもなく、おじさん構文の文章を自動作成する「おじさん文章ジェネレーター」を制作する人も登場。その頃から、おじさん構文はエンタメとして楽しまれるようになっています。

 若者たちにとって、連絡ツールといえばLINEやInstagramのメッセージサービスです。一文ごとに送信ボタンを押すなど、テンポ良く会話を進めます。一方、大人はメールと同様にメッセージを作成するので、1回の送信で用件を済ませるように文章が長めになり、ガラケーのショートメールの感覚で絵文字を多めにします。この違いは、単に長く使ってきたツールの文化から生まれているのでしょう。

 最近は上司が社内チャットで部下にお願いをするときも、汗をかいた絵文字や語尾に不要なカタカナを使ってしまい、おじさん構文になっているという話も聞かれます。若者に気を使って、あまり上からの態度は良くないと意識し過ぎて、かえっておかしなことになっているのかもしれません。

 メッセージの使い方に正解はありません。大人は短文が面倒と感じるでしょうし、若者は長文になじめないのでしょう。それは年代による文化の差として、お互いに楽しんでいくとよいのでは、と思っています。

出典:日経パソコン、2021年8月9日号、同名コラムより
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