オンライン授業で使用する・使用予定のツール
出所:アンド・ディ

 新型コロナウイルス対策として急ピッチで導入されたオンライン授業ですが、本稿執筆時点(2020年6月下旬)では国公立、私立とも学校により差があります。私の周囲でも、オンラインホームルームだけはした、オンライン授業はあったが課題は登校日に紙で提出した、オンライン授業を実施せずに分散登校がスタートした、検温から授業、文化祭までオンラインで行った、などさまざまです。試行錯誤しているうちにウイルスの特性も分かり、登校を前提とした授業方法の模索へとシフトした学校もありそうです。

 リサーチ会社「アンド・ディ」が5月11日に発表した「休校期間の勉強に関する高校生調査」によると、オンライン授業実施率は4月末時点で24.7%。今後実施予定・準備中(34.7%)を含めると、約6割がオンライン授業の導入を決めています。調査では、エリア別の結果も出ており、実施している学校が最も多いのは東海圏で34.0%、次いで首都圏(26.0%)、関西圏(14.0%)となっています。

 オンライン授業の導入には、生徒の端末やネット環境の有無、セキュリティの問題、学校側の予算や先生の技術力などが課題になります。特に、公立は自治体の取り組みも関わります。5月に東京都渋谷区が区立小中学校に1万2500台、6月に兵庫県教育委員会が県立高校に1万6000台の「Surface Go 2」の導入を決めたことが話題になりました。それぐらい思い切った改革がなければ、ICT教育は進まないのかもしれません。

使用されているツールは何?

 本調査では、オンライン授業で使用しているツールについても調査していました。高校生に授業で使用する・使用予定のツールは何かを尋ねたところ、「Zoom」(39.3%)が最も高く、「Classroom」(21.3%)、「YouTube」(18.0%)、「Classi」(16.9%)と続きます。

 Zoomは仕事のWeb会議でも使われているため、聞いたことがあるのではないでしょうか。先生の講義を聴き、チャット欄に質問を書き込んでおいて授業の最後に回答をもらう、などの利用法が採用されています。

 2つめのClassroomは、米グーグルが提供する教員、学生、研究者向けの学校教育ソリューション「Googlefor Education」の一つで、クラス管理や授業ができるツールです。GoogleドライブやGoogleフォームと連携できることから、Chomebookとともに導入している学校も多いと思われます。

 YouTubeは、授業の補足に使う動画の配信場所として利用している学校が多いようです。また、既に行った授業を保存して、いつでも見られるようにしている学校もあります。

 Classiは学習支援プラットフォームで全国の高校の2500校以上が利用していますが(2019年5月)、この5月にはアクセスが集中し、エラーが頻発してしまいました。そのため、ほかのツールを導入してカバーする学校もいました。

 このほか、Web会議ツール「WebexMeetings」や授業支援クラウドの「ロイロノート」、コミュニケーションアプリ「LINE」、コラボレーションツール「Teams」の名前も挙がっています。LINEは先生との連絡に使われており、「Zoomの授業始まってるけど無音だよ!」と生徒が先生にメッセージで教えることにも活用されたと聞きます。あまり多くのツールにすると生徒も混乱しますが、最適なものを組み合わせることで円滑に授業が進むといいですね。

※調査対象:首都圏、東海圏、関西圏に居住する高校1年生~3年生の男女(サンプル数150人)

出典:日経パソコン、2020年8月10日号、同名コラムより
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