子どもにいつからスマホを持たせるべきなのか──今、子育て中の親が最も頭を悩ませている問題です。親世代にはなかったスマホやケータイ、そしてインターネットへデビューさせる最適な時期は、家庭環境や生活スタイルによって異なるため、回答を1つに絞ることはできません。とはいえ、実際には何歳からどのように持たせている家庭が多いのか、誰もが気になるところです。

 内閣府が2018年3月に発表した「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、2017年におけるスマートフォンの利用率は、10歳以上の小学生が29.9%、中学生が58.1%、高校生が95.9%でした。中学生になると約6割の子どもがスマホを持ち始め、高校生ではほぼ全員がスマホユーザーになるということです。

 中学生になると部活が始まり、塾や習い事の時間が遅くなります。親との連絡に携帯電話があると安心だからと、中学入学のお祝いにスマホを購入する家庭が多いようです。しかし、いきなりスマホを与えることに抵抗を感じる保護者もいます。GMOメディアが2017年6月に発表した「10代女子のスマホ事情に関する調査」は、女子のみを対象にした調査ではありますが、「初めて持った携帯電話の種類」として、スマホが48.1%、ガラケーが28.0%、キッズケータイが21.7%と、約半数がいきなりスマホを持つことが明らかになっています。家族で同じキャリアにすると割引されるなど、積極的に販売されるスマホに比べ、種類も少ないガラケーはもはや買いづらいこと、キッズケータイは小学生低学年向けが多いことなども理由の一つでしょう。

LINE目的でスマホが欲しい

 さらに、スマホが初めての携帯電話になる大きな理由があります。「LINEを使いたいからスマホが欲しい」と言う子どもたちが多くいるからです。幼い頃から親のスマホやタブレットを借りてYouTubeを視聴したり、ゲームアプリで遊んでいたりしている子どもたちですが、LINEは1つのスマホにつき1つのアカウントとなるため、LINEだけは親と端末を共有というわけにはいきません。

 ある女子高生は、小学生のときに通信教育の学習用タブレットを使って、親に内緒でLINEのアカウントを取得していました。その手順は簡単ではありません。まず、アプリをインストールするのに必要なパスワードを親から聞き出す必要があります。その女子高生は親が保管していたメモからパスワードを知ったそうです。パスワードが判明したら、まずはFacebookのアカウントを取得し、そのアカウントを連携することでLINEアカウントを作成します。LINEはアカウント取得に電話番号が必要なのですが、Facebookのアカウントがあれば電話番号がなくてもLINEアカウントが作れるのです。

 普通の女子小学生が通信教育専用にカスタマイズされたタブレットにアプリをインストールし、SNSのアカウントを2つも取得するというIT知識の高さにも驚きますが、そこまでしてLINEをしたいと思う情熱も、大人には計り知れない感情です。スマホによるコミュニケーションの重要度が、大人世代とは大きく異なることを頭に入れておかなければなりません。

出典:日経パソコン、2018年8月27日号、同名コラムより
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