前回は日本でiPhoneの人気が高いこと、そして中学生はAndroidスマホの保有率が高く、高校生になるとiPhoneへと移行していくお話をしました。今回は、高校生の中でも特に女子の間でiPhoneの人気が高いことについてご説明します。

 「彼氏がAndroidだったら機種変更させる」──こう言ったのは、以前取材した女子高生です。もちろん冗談交じりではありますが、女子高生が抱いているAndroidスマホへの印象は「安い」「オタクっぽい」などが多いようです。一方、iPhoneに対しては、「リンゴマークがいい。鏡に向かって自撮りするときはリンゴが入るように撮る」「アップルのパソコンを使っている先生はイケてる」など、アップルブランドへの好感を強く持っています。

 ここで、調査データを見てみましょう。MMD研究所が2017年12月に発表した「2017年11月 中高生の通信利用実態調査」によると、女子高生の69.0%がiPhoneで、29.2%がAndroidを利用しています。男子高生では45.6%がiPhone、51.3%がAndroidですから、女子のiPhone保有率が高いことがうかがえます。筆者の体感では、女子高生のiPhone利用率はもっと高い印象です。ある女子高生は「ずっとiPhoneに変えたいと親に頼んでいて、修学旅行をきっかけに買い替えてもらえることになった」と言っていたので、学年が上がるにつれてiPhone利用率も上がるのかもしれません。

「エアドロ」で写真を送り合う

 女子高生がiPhoneを選ぶ理由は、ブランド志向ということだけではありません。もう一つ重要なポイントがあります。彼女たちは遊びに出かけると、お互いに撮り合ったり、一緒に自撮りしたりして、SNSにアップするために何十枚もの写真を撮影します。帰り際にはその写真をお互いに渡すことになりますが、そのとき彼女たちは「AirDrop」というiPhoneの機能を使うのです。

 AirDropはアップルのデバイス同士なら写真や動画をワイヤレスで送り合える機能です。女子高生たちはAirDropを「エアドロ」と呼び、画質を落とすことなく簡単に送受信できることから愛用しています。しかし、AndroidはAirDropが使えないため、Androidスマホの友人には別途LINEで送ることになり、Androidの人は肩身が狭い思いをするわけです。さらに、彼女たちは常にキャリアが設定しているデータ通信量を制限ぎりぎりまで使っているので、写真の受け渡しにデータ通信を使いたくないという理由もあります。AirDropなら何十枚送り合っても安心なのです。

 まさに、デジタルネーティブといった理由でiPhoneを選ぶ彼女たちですが、かわいいスマホケースが豊富に売っていることも評価の高さにつながっています。彼女たちが普段よく行く雑貨屋さんにはiPhone用ケースはたくさん売られていますが、Android用ケースはスマホメーカーによって本体の形状が違うため、お気に入りのデザインが入手しづらくなります。友人とおそろいのケースを使う、または人気のキャラクターやブランドのケースにしたいとき、やはりiPhoneがいいという選択になるのでしょう。

出典:日経パソコン、2018年9月24日号、同名コラムより
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