「#春から○○」というハッシュタグをご存じでしょうか。TwitterやInstagramで使われるハッシュタグ(#)は、タップするだけでキーワード検索ができる便利な機能なのですが、この「春から」投稿がSNSに激増する時期があります。そう、合格発表の時期です。子どもたちは、「○○」の箇所に進学先の学校名を入れてSNSに投稿します。なぜそんなことをするのでしょうか。

 それはもちろん、進学先に友人を作るためです。中学、高校だけでなく、大学でも同様にハッシュタグでの投稿が行われます。同じハッシュタグで投稿しているアカウントがあったらフォローし、相手もフォローする相互フォローの関係になります。新入生だけでなく、在校生もハッシュタグを付けて部活への勧誘などを行います。もちろんプロフィールにも進学先や趣味を記述します。

 相互フォローした相手のTwitterやInstagramを見て、同じ趣味を持っている、もしくは同じ部活を考えている人同士はメッセージを交わすなどして親睦を深めていきます。仲良くなると、LINEのアカウント交換です。LINEはTwitterやInstagramに比べてプライベート感が強いため、いきなり交換ではなく、相手の様子を投稿から探るというステップが必要なのです。

 そして入学式では、「Twitterの○○ちゃんだよね」と実際に会うことになります。SNSに自撮り写真を載せるのが当たり前の世代ですから、会ったことがない相手でもすぐに分かるのです。

 その後、クラスが発表されると、クラスごとにグループLINEが作られます。グループなら、と参加する人が多いのですが、トークが盛り上がるのは最初だけ。大人数での会話は難しいこともあり、徐々に誰も発言しないグループになっていきます。

個人情報がダダ漏れに

 最近の子どもたちは、TwitterやInstagramのプロフィールに個人情報を出すことに抵抗を感じていません。顔写真だけでなく、所属している学校名、クラス名、部活などを箇条書きやハッシュタグでずらりと書いています。ローマ字や通称で記載することで、なんとなく濁している人もいますが、多くの子どもたちは同級生とつながるためにプロフィールはしっかり書いておきたいと考えているのです。

 しかし、危険を伴うことも事実です。前述の「#春から○○」を見ていると、明らかにその学校に入らないであろうアカウントもいました。ナンパ目当てで近づいてくる大人も存在するのです。同じ学校に入学するように装い、相互フォローを狙っているのでしょう。相互フォローにこぎつければ、DM(個人宛てメッセージ)が交わせるようになります。Twitterを見ていると、ナンパしてきたメッセージのアダルトな内容に不快感を覚え、スクリーンショットを公開している女子高生も珍しくありません。

 進学先に1人でも友人ができれば、新生活への不安は大きく解消されます。デジタルネイティブならではのスマートなコミュニケーション術ですよね。ただ、ネットには悪い大人たちがいるのも事実です。自分たちの世代以外からも見られていることを忘れないように話し、アカウントを非公開、または公開範囲を絞るようにして、個人情報を守るようにアドバイスするとよいでしょう。

出典:日経パソコン、2018年10月22日号、同名コラムより
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